「あまりに杜撰」国交省の統計データ改ざんが残したキズ跡 統計の「根幹」GDP訂正の恐れも......

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「組織ぐるみ」の批判は免れない

   政府は火消しに躍起だ。臨時国会でもこの問題が取り上げられ、野党の追及を受けた岸田文雄首相は「徹底的に経緯や原因の検証を行う。政府統計への信頼を取り戻すことが必要だ」と徹底調査を約束した。

   12月23日には一連の経緯を検証する第三者委員会が初会合を開き、国交省が改ざんに手を染めた動機などについて解明作業に入った。2022年1月中にも結果を報告する予定だ。

   日本の統計制度は緻密な調査と正確性から国際的に高い評価を集めてきた。しかし、相次ぐ基幹統計の改ざんで印象は地に落ちたと言っていい。

   「建設工事受注動態統計調査」は約1万2000の業者から都道府県が調査票を回収。それを国交省が集計して建設業界全体の推計地を公表する仕組み。改ざんには国交省の指示で都道府県の統計担当者が関わっており「組織ぐるみ」との批判は免れない。

   古い調査票が既に破棄されているため、仮に改ざんでGDPの結果に影響があったことが判明しており、それを正すことすら難しい可能性もある。

   「先人たちが連綿と積み上げてきた統計精度への信頼は崩れた。再びこれを積み上げるのは容易ではない」。基幹統計に携わる全国の関係者からは、こんな恨み節が聞こえてくる。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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