全員「プラス」はとても偶然とはいえない!
終盤では、トレード戦略を構築し、売買シナリオを描けるようになった方が多く目立ちました。
◆ 相場と材料2021年のFX対抗戦が行われた相場は、終わってみれば良い相場だったのではないでしょうか。米ドル円は緩やかな上昇トレンドが続いた後に、金融引き締めが見えたことで上昇に転じました。ざっくりといってしまえば、買っていれば誰でも利益を出せる相場だったといえます。
しかし、中身は新型コロナウイルス感染症からの経済回復という過去にない相場状況でした。そんな中での中央銀行関係者の迷いや意見の分裂がトレンドレスな値動きを生み出しました。中盤には、サプライチェーンの問題から原油が急騰し、インフレが加速。終わらない感染症と経済状況に加えて、インフレリスクも台頭するという難しい相場状況だったと言えます。
◆ まとめFXで勝つ人の比率は、5年以上のFX投資の経験であれば4割以上、初心者から数年程度の人では2割程度です。
株式や仮想通貨は、基本的に相場が良ければ「誰でも」利益を出せる可能性が高くなります。買い持ちを行えば良いためです。
しかし、FXはトレーディング要素が強い金融商品です。6か月ものあいだ、バイ&ホールドだけという方もおらず、何十回も取引を重ねることになります。そのため、投資初心者には難易度か高いといえます。
そんななか、全員がプラスの収益ということは、とても偶然とはいえません。それぞれの努力の賜物であり、6か月も安定的に口座残高を増やすことができたということは、同じ経験値の方を集めれば、トップレベルのトレーダーといえるでしょう。
そもそも、コロナ禍という特殊な状況にも関わらず、全員が利益を出せたことは称賛に値します。
今回、参加された9人の学生のみなさんには、今後もFXを続けて欲しいと思います。実力があることはもちろんですが、FXは国の経済や中央銀行の金融政策を分析し、金融市場全体を読み解く能力が必要とされます。また、トレーディングスキルも磨かれます。
極端な話、FXで利益を出すことができるのであれば、株式や仮想通貨の取引も成功する可能性が高いと筆者は考えます。
「相場は、短期間で勝つことはできても生き残ることが難しい」――。
筆者の経験では、米国の大統領選挙やオリンピックの周期である4年経過すると、だいたい投資家層が入れ替わる傾向にあります。そのため、参加された9人にはご自身が取引を始めてから4年間の損益がプラスであることを目標にしてほしいと思います。
みなさん、素晴らしいFXトレードを見せてくれました。おつかれさまでした!
(児山将)
◆ 「1000万円増額計画 FX学生対抗戦2021」を終えて優勝 専修大学
先人たちの「手法よりもメンタルや資金管理が大切」の言葉の意味がなんとなくわかるようになりました。実際に自分の取引を振り返ると精神面によって資金管理や手法がぐちゃぐちゃになっていたことに気づけたからです。
これには、もっと早く復習していればなぁという思いと、逆にたくさん復習していなかったから一気に気づけたのかなという、二つの思いがあります。ただ言えるのは、欠点に気づけていたとしても、自覚してトレードしていたとしても、今まで逃げていた含み損・含み益を持ち続けるリスクを考え続けるのはかなりしんどいことで、ずうっとポジションの損益を考えてしまうし、利益も確定させていないのに、さらにポジションを積み上げてリスクを取るのも怖いし不安感にかられます。
しかし、実際に「ポジションを持つ」という経験を成し遂げると、思ったよりも相場は素直で自分の予想していた位置まで到達してくれることにも気づけます。そういった感覚を身につけられたことが良い経験になりました。
(めがねちゃん)
◆100万円増額計画 FX大学対抗戦のルール学生投資連合USIC
・元本100万円のデモトレードです。
・通貨ペアはクロス円取引とします。
・レバレッジは25倍を上限(法令に基づく上限)とします。
・取引の過程で資産が「ゼロ」(元本割れ)になった場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/