JA全農、牛乳をたっぷりの新商品を開発
コンビニエンス業界では、ローソンが2021年の大みそかと22年の元日の2日間、ホットミルクを通常の半額の65円(税込み)で販売する計画で、「ミルク缶マークを掲げる店として応援したい」としている。ファミリーマートは店内で販売するカフェラテの購入者に30円引きのクーポンを発行し、セブン―イレブンも対象の牛乳を20円値下げするなどの支援をする。
大手スーパーではイトーヨーカ堂が牛乳で作る家庭用デザート「フルーチェ」(ハウス食品)を対象の牛乳と一緒に買うと30円割引く取り組みを始めた。
JA全農は牛乳をたっぷり使った新商品を開発した。ひと缶275グラムのうち国産牛乳を50%以上使ったボトル缶入りのミルクティーで、牛乳の濃さは一般的なミルクティーの5倍。12月から販売を始め、SNS上で「牛乳好きにはたまらん」などの反響があり、2週間足らずで10万本以上を販売し、年末年始にはさらに12万本を製造する予定という。24本入り3900円(税・送料込み)で、全農酪農部のオンラインショップ「酪市酪座」で購入できる(年末に頼むと新年1月7日以降配送)。
一方、乳業メーカー各社はフル稼働でチーズなど乳製品の製造に当たっているほか、明治や雪印メグミルクなどはホームページ上で牛乳を使った「ミルク鍋」などさまざまな料理のレシピを紹介。消費を呼びかける動画を流すなどの取り組みもしている。
各地域でもさまざまな活動が展開されており、北陸酪農業協同組合連合会はフードバンクや子ども食堂などへの県産牛乳の無償提供を始めた。
こうした企業などの取り組みを好意的に受け止める消費者は多く、「年末年始の料理に取り入れようと思う」(東京都内の40代女性)などの声もあり、支援の輪がさらに広がる可能性がある。(ジャーナリスト 済田経夫)