大事なことは「伝える」ではなく「伝わる」こと
――では最後に、川上さんなら、この投稿者にどうアドバイスをしますか。
川上さん「なんの脈略もなく『お母さんのように接して欲しい』と言われても、投稿者さんが戸惑われるのは当然です。ただ、釈然としない気持ちが続くようであれば、あらためて上司に発言の意図を確かめてみてはどうでしょうか。上司は何らかの意図があって、そう要請しているはずです。その意図が曖昧な状態のままでは、後輩とも接しづらいのではないでしょうか。
ただ、投稿者さんご自身がそこまでは気にしていないのであれば、『温かい目で見守ってあげて欲しい』くらいの意図だと解釈して、受け流しておけばよいでしょう。もし、その解釈が上司の意図とズレがあるようなら、またあらためて上司からアクションがあるでしょうから。
ただ、セクハラだという指摘が出てしまうことも含め、言葉選びの拙なさが不要な混乱を招いた責任を上司には感じていただきたいです。
話は飛びますが、『45歳定年制』で物議を醸したサントリーホールディングスの新浪剛史社長は、その後、『定年』という言葉を用いたことの誤りを認めています。日本を代表する経営者でも表現の仕方でミスをすることがあるのです。
そんなわけで、みなさんにも、ただ『伝える』のではなく、意図が『伝わる』ようにコミュニケーションをしていただきたいと思います」
(福田和郎)