利払いや償還にかかる「国債費」は歳出全体の4分の1近くに
22年度も肥大化は免れない。
当初予算こそ107兆円となっているが、22年夏の参院選を控え、アピール材料を増やしたい与党の歳出拡大圧力は早くも強まっており、22年度補正予算の編成は避けられない状況だからだ。
いくら当初予算でメリハリを付けても、補正予算の規模が膨らめば歳出総額は増大する。これに対し税収は当初予算段階で見積もった金額から大きく上振れすることはまれだ。歳出が膨らめば、新規国債の発行を増やして対応するしかない。
日本の国債発行残高は21年度末に1000億円を超える。過去に発行した国債には利払いや償還に充てる「国債費」は22年度当初段階で24兆3393億円と、歳出全体の4分の1近くまで膨らんでいる。
「新たな借金(新規国債発行)をしても、その多くを現在抱えている借金の返済にまわす自転車操業を続けているのが日本の実態だ」
政府関係者はこう指摘する。政府の弥縫策は限界に近づいている。(ジャーナリスト 白井俊郎)