2021年は、ビットコインが史上最高値を大きく更新し、800万円に迫るほど上昇した1年でした。この背景には、アメリカでビットコインETF(上場投資信託)が承認されるという歴史的な出来事がありました。
今回は、なぜビットコインETFの承認が、ビットコインの価格を押し上げたのか解説します。
ビットコインETFは2016年から承認申請していた
◆ ビットコインETFとは
ETFとは、上場投資信託(Exchange Traded Fund)の略で、信託会社が運用している「投資信託」が、証券として証券取引所に上場したものです。
「ビットコインETF」とは、ビットコインで運用されるETFで、ひと言で表すと、ビットコインの値動きに連動する株式のようなものです。
暗号資産取引所ではなく、証券取引所に上場しているので、投資家は株式と同じように証券取引所で、ビットコインETFの売買できるようになります。
アメリカではSECが、ETFの上場を審査しています。しかし遡ること2016年から、ビットコインETFは米SEC(証券取引委員会)から、長らく上場が承認されていませんでした。
その理由は、主に下記の懸念点があったためです。
● 公正な価格評価
● 流動性の担保
● カストディ機能
● 円滑なアービトラージの可否
● 価格操作などのリスク
暗号資産は、新たな機能を持つ通貨として注目されてきた半面、「新しい」がゆえに、こうした課題があり、それらが上場の妨げとなっていたのです。
◆ 2021年10月にSECがビットコインETFを承認
「もうすぐ承認される」と言われ続けてきたビットコインETFですが、今年10月15日に米証券取引委員会(SEC)がプロシェアーズのビットコインETFを承認しました。
仮想通貨にとって歴史的な日です。
ビットコインETFの初日売買代金は10億ドル程を記録し、 2日目は前日よりさらに20%ほど増加し盛り上がりを見せました。
仮想通貨(暗号資産)調査会社のコインシェアーズは、10月第3週の仮想通貨ファンドの資金流入量は、調査以来最大となる14億7000万ドルに達したと発表。そのうちの99%がビットコインファンドということです。
また仮想通貨市場の時価総額は300兆円を超え、ビットコインの時価総額は140兆円に達しました。