奮闘する地銀! 再編の嵐のなか、コロナ禍で高まる存在感 「金利以外」の魅力高めてシェア過去最高に

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進む再編、改正金融機能強化法が後押し

地方銀行に再編の嵐が吹き荒れる......(写真はイメージ)
地方銀行に再編の嵐が吹き荒れる......(写真はイメージ)

   コロナ禍の2021年7月に施行された改正金融機能強化法の動向が注目されている。

   同法は時限立法ながら、地域金融機関の統合・合併に伴う必要経費を国が一部負担するもので、30億円を上限にシステム統合などによる費用が対象に含まれる。

   地域金融機関などの経営統合は、店舗の統廃合などのコスト削減のメリットがある半面、勘定系システムの開発などで多額の費用が生じる。そこで、その負担を国が軽減することで、地銀などの経営統合や合併を進めやすくする狙いがある。

   2021年は、1月に新潟県で第四北越銀行が発足したのを皮切りに、5月には三重県で三十三銀行(四日市市)が発足。さらに、5月に青森県の青森銀行とみちのく銀行が、7月に荘内銀行(山形県鶴岡市)と北都銀行(秋田市)を傘下に持つフィデアホールディングス(仙台市)と東北銀行(盛岡市)が、それぞれ経営統合を発表した。10月には、福井銀行が同一県内の福邦銀行を子会社化。12月には、愛知県の愛知銀行と中京銀行が経営統合に向け基本合意したと発表している。

   地元企業から資本を募った南日本銀行(鹿児島市)など、経営統合や合併に頼らない生き残り策を講じる地域金融機関がある。

   その一方で、福島銀行(福島市、19年11月)、筑邦銀行(福岡県久留米市、20年1月)、清水銀行(静岡市、同2月)、大東銀行(福島県郡山市、同5月)、東和銀行(前橋市、同10月)、仙台銀行ときらやか銀行(山形市)を傘下に持つ、じもとホールディングス(仙台市、同11月)、筑波銀行(茨城県つくば市、21年5月)は、SBIホールディングスと資本・業務提携を結んでいる。また、12月にはSBIHDと新生銀行とのTOB(株式の公開買い付け)が成立。地銀連合と連携した巨大な「第4のメガバンク」構想が進んでいる。

   マイナス金利やコロナ禍の影響で厳しい収益環境が続くなか、今後はますます地銀の合従連衡が再加速する可能性がある。

   そうしたなか、帝国データバンクは

「コロナ禍で疲弊した中小企業を支えるための資金繰りニーズに加えて、後継者問題やデジタル変革(DX)、脱炭素への取り組みをはじめ、中小企業単独では解決が難しい複雑な経営課題への対応など、新しい企業ニーズを捉えた金融サービスの提供が『メインバンク』として企業から選択される一つの判断材料になりそうだ」

   としている。

   なお、調査は2021年10月末時点の企業概要データベース「COSMOS2」(約147万社収録、特殊法人・個人事業主含む)をもとに、企業が「メインバンク」と認識する⾦融機関を分析した。⼀企業に複数のメインがあるケースでは、各企業が最上位として認識している⾦融機関をメインバンクとした。この調査は2020年12月に続き13回目。

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