都道府県シェア、最も高いのは長崎県の「十八親和銀行」で84.26%
業態別にみると、シェアが最も高いのは「地方銀行」で40.51%。シェア拡大は12年連続。次いで「信用金庫」(23.39%)が続き、3年連続で拡大。地方銀行と信用金庫を合わせたシェアは全体の3分の2に迫る。
インターネットバンキングなどの「ネット銀行」も、少しずつシェアが拡大している。0.14%で、前年比プラス0.01ポイントとなり、調査当初の2009年(0.01%)から見て、14倍にも拡大した。なかでも、「住信SBIネット銀行」「楽天銀行」などをメインとする企業が増えている。
地域単位・県単位で拠点の集約化が続いている。「農協」(1.23%)や「漁協」(0.08%)でもシェアが拡大。なかでも農協は、2009年からの拡大幅が地方銀行に次いで大きい。
その一方で、3メガバンクを含む「都市銀行」のシェアは19.54%で、前年を0.24ポイント下回り過去最低を更新。「第二地方銀行」(9.67%)は3年連続で1割を下回り、2年ぶりに前年から縮小したほか、シェア低下幅は全業態で最大となった。「信用組合」は2.46%で、2年連続でシェアが低下している。
都道府県別にみると、「東京都」と「大阪府」、「埼玉県」、「愛知県」、「兵庫県」の5都府県で、都市銀行がシェアでトップとなった一方、残りの42道府県では地方銀行・第二地方銀行がトップを占めている。
前年からシェアを拡大させたのは17、低下したのは29。最もシェアが拡大したのは「高知県」の四国銀行(前年比プラス0.45ポイント、シェア50.06%)。最も縮小させたのは「福島県」の東邦銀行(マイナス0.32ポイント、40.38%)となった。
都道府県シェアで最も高いのは「長崎県」の十八親和銀行で、県内シェアはじつに84.26%を占める。2番目に高い「和歌山県」の紀陽銀行(県内シェア63.73%)を20ポイント以上も上回り、1行の単独シェアでは全国的に極めて高い水準にある。
3位以下には、「島根県」の山陰合同銀行(県内シェア61.92%)。「奈良県」の南都銀行(61.50%)、「愛媛県」の伊予銀行(60.34%)と続いた。以上が、単独で県内シェアが6割を超えた5県だ。
経営統合が発表されている青森県の「青森銀行+みちのく」銀行(シェア70.36%)、福井県の「福井銀行+福邦銀行」(55.00%)も含むと、単独で過半数のシェアを有する金融機関がある都道府県は前年より増えて、計22。愛知県では、統合が報じられた愛知銀行と中京銀行(いずれも名古屋市)のシェア合計は約1割にとどまるが、県内シェアでトップの三菱UFJ銀行に次ぐ県内2番手の規模となる。