ボストン コンサルティング グループが予測する2022年【12月は、2022年をのぞき見する一冊】

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部族化する社会

   面白いと思ったのは、製造業(消費財)のくだりで、コロナ禍が「トライブ(部族)化」する社会を生んだという森田章氏(マネージング・ディレクター&パートナー)の指摘だ。

   世界が二極化し、経済的にも分断され、世代によって価値観が異なることを指している。そして、トライブを軸に成長するポートフォリオを組み立てるよう提案している。一例が「東南アジアの都市に住むZ世代(1990年代後半以降生まれの若者)のようなカタマリだ。購買力が今後最も伸びるセグメントで、SDGsを志向している。自社のポートフォリオが彼らに合っているかの点検が必要だという。従って、サステナビリティへの配慮も求められる。

   このほかに、小売、通信、金融、エネルギー、自動車、ヘルスケア、プライベート・エクイティ(PE)ファンドについても詳しく触れている。コンサルティングのものの考え方、フレームワーク、分析手法を知ることができる貴重な本である。

   多くの予測本を紹介してきたが、もっとも刺激を受けた一冊である。

(渡辺淳悦)

「BCGが読む経営の論点2022」
ボストン コンサルティング グループ編
日本経済新聞出版
1760円(税込)

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