楽天の送料無料化問題 公取委「お咎めなし」の決着で零細出店者にくすぶる「不満」

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楽天は生殺与奪の権を握る絶対的な存在

   物流について楽天は、自前の配送網「楽天エクスプレス」の構築に務めていたが、2021年5月末で打ち切り、その後、日本郵便と提携している。自前配送網の挫折の背景はさまざまな情報や憶測が乱れ飛ぶが、いずれにせよ、アマゾンジャパンが自前の巨大倉庫と配送網でコストを抑え、無料配送を進めているのに比べ、状況はさらに厳しくなった。

   楽天市場の5万5000出店者の92%が3980円以上無料に参加しており、逆風の中で着実に広げているが、今後の楽天の物流戦略がどう展開するか。特に日本郵便との提携の効果が注目される。

   GAFAと戦う「日本期待の星」ともいえる楽天だが、他になかなか販路がない力の弱い出店者にとっては、圧倒的な力を持ち、生殺与奪の権を握る絶対的な存在だ。零細な出店者ほど、他のサイトに乗り換えるなどは事実上、難しい。実際に、送料に限らず、さまざまな条件などで出店者には不満があるとされ、公取委が2019年2~3月に実施したアンケートで、楽天について「一方的な規約の変更があった」との回答が9割を超え、アマゾンジャパンなどを上回っていた。

   送料問題は今回、ひとまず決着したが、独禁法に詳しい専門家は「力の強いプラットフォーマーが一方的に契約などのルールを変更することはこれまでもあり、今後も監視していく必要がある」と指摘する。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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