東建コーポレーション株が3.5%高、賃貸事業好調で買い入る 気がかりはスローな建設事業の回復

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同業他社との営業人員の確保争い激化か!?

   同業他社も不動産事業は好調だ。大東建託の2021年9月中間連結決算によると、不動産事業は売上高が5.6%増、営業利益は29.5%増だった。9月の入居率は居住用で前年同月比1.0ポイント上昇の97.7%、事業用で0.6ポイント上昇の99.1%に上った。11月5日付のSMBC日興証券の大東建託のリポートは「建設の回復はスローも、入居率好調で利益成長が続く」とのタイトルで、「アパート建設受注は弱含みの状況が継続」「不動産事業は高水準の入居率と着実な管理戸数増加により想定以上に好調な状況が継続」と指摘した。

   一方、賃貸用のアパート・マンション建築についても回復に向かうとの見方も出ている。先に述べた新設住宅着工戸数(2021年10月分)によると、「貸家」は前年同月比14.5%増の2万9822戸と8か月連続の増加となった。2021年4~10月でみると前年同期比9.4%増の19万9740戸で、2016年度から減り続けた戸数が5年ぶりに反転しそうな勢いだ。

   野村証券は12月2日付の大東建託のリポートで「地主のアパート建築意欲の回復と銀行の地主への融資姿勢の緩和」が起きていると指摘した。

   大東建託にいえる業界の傾向は、東建コーポにも同様に考えていいだろう。

   ただ、建築需要が回復に向かうとみられても、建設事業でカギとなる営業人員の確保争いが起きているとの見方もある。東建コーポにとって「車の両輪」である不動産賃貸事業とともに、建設事業が大きく反転するとまでは見通せないようだ。(ジャーナリスト 済田経夫)

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