地球環境保全も地域との共生も「おいしい焼酎づくりの源泉」 霧島酒造 代表取締役専務の江夏拓三さんに聞く

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若手社員に「サツマイモ」のルーツを探る海外研修

霧島酒造の「サツマイモ発電」プラント
霧島酒造の「サツマイモ発電」プラント

――社員の方も実際にサツマイモのルーツを調べに海外まで行っているそうですが、社員教育においても若い人を積極的に登用されている理由を教えてください。

江夏さん「若い社員を育てないと企業は伸びていかないのです。当社は黒霧島を始めた1998年から若い社員をどんどん採用して、新鮮な会社にしようとしました。現在、社員数が約600人で、平均年齢は33歳です。きょうの記者発表会でも新入社員が司会をしていましたが、新人にも責任を負う仕事を任せており、海外事業部などでも20代の人たちが活躍しています。
一般的にはアジア圏内の出張は課長以上とか、ヨーロッパは部長にならないといけないとか、暗黙のルールがある会社もあるようですが、うちは新入社員でも世界中連れて行くんです。そこで、さつまいもの流通を見たときに、さつまいもが人類を作ってきたことが如実にわかるわけです。社員がいろいろな発見をして、それを会社に持ち帰る効果もありますね」

――常に長期的な視点で取り組んでいらっしゃいますが、すぐに結果が出ないにもかかわらず、そこですぐ決断ができるのはなぜでしょうか?

江夏さん「必ず天気の日が来るんですよ。『待てば海路の日和あり』といいますが、いつまでも悪いわけではありません。大変なことも起こります。どうしようもない泣きたいこともあります。もう誰か助けてくれ、ということもある。ただ、それを何とかみんなで協力していくと必ずいい流れが起こります。今やらなければ、いつやるんですか。それも半端に変えるのではなく、僕はダイナミックに変えなさいといいます。ダイナミックな発想をしてダイナミックに進んできたから今日がある。それができない人は、結果へ到達できません」

(聞き手 あわいこゆき)


プロフィール
江夏 拓三(えなつ・たくぞう)
霧島酒造株式会社 代表取締役専務。
1949年宮崎県都城市生まれ。早稲田大学商学部卒。77年霧島酒造入社。96年に兄の順行(よりゆき)氏が三代目社長に就任するとともに、自身も専務取締役に就任。その後、ヒット商品の本格芋焼酎「黒霧島」などを開発。2000年から現職。

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