面談シートを活用して部下の自律的な働き方を促す「仕事の具体化」〈後編〉(前川孝雄)

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   【第6回】本《後編》では、《前編》で進めてきた「任用面談シート」に基づく部下との面談プロセスをさらに進め、自律的な業務遂行を促すアドバイスの方法を解説していきます。

  • 部下自身が目標をもって業務に取り組む!
    部下自身が目標をもって業務に取り組む!
  • 部下自身が目標をもって業務に取り組む!

「今期のミッション」の意味と期待を示す

   前回は、面談の中で「任用面談シート」の黒字部分を部下に説明し、本人に対する「将来への期待」までを伝えました。そこで次に、上司が定めた「今期のミッション」の「優先順位」と「シェア」の欄(記入例の赤字部分)を部下に説明します。

   記入例の田中主任の当面の役割として最も大事なのは、すでに実績のある法人営業で、「新規営業のトップランナー」としてさらに業績を上げ、チームのけん引役・ロールモデルになることです。そこで、本人の50%の力を期待します。

   次いで、チーム全体のコンサル営業力の強化は本人の希望でもあり、チームリーダーである主任の本務です。そこで、これを如何に進めるか「自チームの営業力の底上げ」へのリーダーシップの発揮に期待し、シェア30%で取り組んでもらいます。

   さらに、コロナ禍の影響で、「非対面型営業の仕組みづくり」は喫緊のチーム課題です。優れた営業力から新しいノウハウを生み出し、この課題をクリアしてほしいものです。

   ミッションの説明に際しては、これまでの本人の行動や成果で評価している点や、今後期待する姿をできるだけ具体的に述べます。また、チームの課題点や今後めざしたい方向など、職場全体の課題感も伝えます。部下の仕事の工夫や進め方など細部に立ち入るのは避けつつも、上司が部下の各ミッションに込めた考え方や期待の理解に相互のズレが生じないよう、しっかり伝えましょう。

部下自身に期間目標を提案させ、承認する

   以上の上司からのメッセージを踏まえ、シートの記入例の青字部分の意志目標は部下自身に立案させます。一度部下にシートを持ち帰らせ、よく練って記入させる方法と、面談で対話を続けながら一緒に記入していく方法があります。新入社員など自力での目標の具体化が難しい場合は、面談で一緒に立案するのが現実的です。

   青字で記入された一番右の「意志目標」が、今期中に達成をめざす最終目標です。その左の「6か月」「3か月」「1か月」は、そこに至るプロセス設計とさらに細かく刻んだ各期間の到達目標です。それでは、部下の仕事の具体化支援のポイントを押さえましょう。

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