オミクロン株に厳重警戒も、株式市場は年末相場へ「掉尾の一振」の期待(12月20日~24日)【株と為替 今週のねらい目】

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   2021年最後のイベント、米FOMC(米連邦公開市場委員会)を通過したことで、株式市場はいよいよ年末相場へと向かって行く。「掉尾(とうび)の一振」への期待が膨らむなか、外国人投資家はクリスマス休暇に突入する。

   一方、米国の量的緩和の縮小(テーパリング)が加速される方向に動き出すことで、米国の長期金利が上昇すれば、米ドルは再び上昇する可能性は高まる。

   引き続き、欧米などで感染が広がる新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」には、厳重警戒。どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 米FOMCを終え、株式市場はいよいよ年末相場に……(写真は、米ホワイトハウス)
    米FOMCを終え、株式市場はいよいよ年末相場に……(写真は、米ホワイトハウス)
  • 米FOMCを終え、株式市場はいよいよ年末相場に……(写真は、米ホワイトハウス)

東京株式市場 FOMC通過、手掛かり材料に乏しく......

日経平均株価予想レンジ:2万8000円~2万9100円

2021年12月17日(金) 終値 2万8545円68銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、もみ合いか。

   前週の日経平均株価は、米国がFOMC(米連邦公開市場委員会)で量的緩和の縮小(テーパリング)の加速を決定し、2022年に3回の利上げを見込んだことで乱高下し、ボラティリティ(変動率)の高い展開となった。

   英国中央銀行が予想外の利上げを実施したことも、相場の重しとなった。ただ、日経平均株価は週ベースでは100円超の続伸となった。

   今週の日経平均株価は、年末までの最大のイベントだった米国のFOMCを通過したことで、手掛かり材料に乏しいなか、もみ合いとなりそうだ。

   外国人投資家もクリスマス休暇入りすることで、年末相場の「掉尾(とうび)の一振」(株価が年末にかけて上昇するといった株式相場の格言)が期待される半面、薄商いになる可能性もある。ただ、年末にかけでIPO(株式の新規公開)が相次ぐ。需給面では、IPOが相場の重しになるとの見方もある。また、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の動向にも注意が必要。手掛かり材料が乏しいだけに、米国株や米国の金利動向には注目したい。

東京外国為替市場 オミクロン株の拡大で「ドル買い」後退?

ドル・円予想レンジ:1ドル=112円50銭~115円00銭

2021年12月17日(金)終値 113円67銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、もみ合いか。

   前週のドル円相場は、米国がFOMC(米連邦公開市場委員会)で量的緩和の縮小(テーパリング)の加速を決定し、2022年に3回の利上げを見込んだことを受け、ドルは一時1ドル=114円台前半まで上昇した。

   しかし、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の世界的な感染拡大により、リスク選好のドル買いが後退したことで、ドルは1ドル=113円台に低下した。

   今週のドル円相場は、レンジ内でのもみ合いとなりそうだ。年末までの最大のイベントだった米国のFOMCを通過したことで、手掛かり材料に乏しい。米国の金融政策が利上げ方向に動き出すことが明確になったことで、米国の長期金利が上昇すれば、ドルは再び上昇する可能性は高い。

   ただ、1ドル=115円に近づくようであれば、実需や利益確定のドル売りによって上値は重くなりそうだ。手掛かり材料に乏しいなか、米国の経済指標と長期金利の動向には注意が必要だろう。

   経済指標は、国内では22日に日本銀行の金融政策決定会合議事要旨(10月27、28日開催分)、23日に10月の景気動向指数、24日に11月の全国消費者物価指数などが予定されている。

   海外では、21日に米国の7~9月期経常収支、22日に米国の7~9月期GDP(国内総生産)確報値、米国の12月のコンファレンスボード消費者信頼感指数と11月の中古住宅販売、23日に米国の11月の耐久財受注と個人支出、個人所得、新築住宅販売などが予定されている。

(鷲尾香一)

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