東京外国為替市場 オミクロン株の拡大で「ドル買い」後退?
ドル・円予想レンジ:1ドル=112円50銭~115円00銭
2021年12月17日(金)終値 113円67銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、もみ合いか。
前週のドル円相場は、米国がFOMC(米連邦公開市場委員会)で量的緩和の縮小(テーパリング)の加速を決定し、2022年に3回の利上げを見込んだことを受け、ドルは一時1ドル=114円台前半まで上昇した。
しかし、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の世界的な感染拡大により、リスク選好のドル買いが後退したことで、ドルは1ドル=113円台に低下した。
今週のドル円相場は、レンジ内でのもみ合いとなりそうだ。年末までの最大のイベントだった米国のFOMCを通過したことで、手掛かり材料に乏しい。米国の金融政策が利上げ方向に動き出すことが明確になったことで、米国の長期金利が上昇すれば、ドルは再び上昇する可能性は高い。
ただ、1ドル=115円に近づくようであれば、実需や利益確定のドル売りによって上値は重くなりそうだ。手掛かり材料に乏しいなか、米国の経済指標と長期金利の動向には注意が必要だろう。
経済指標は、国内では22日に日本銀行の金融政策決定会合議事要旨(10月27、28日開催分)、23日に10月の景気動向指数、24日に11月の全国消費者物価指数などが予定されている。
海外では、21日に米国の7~9月期経常収支、22日に米国の7~9月期GDP(国内総生産)確報値、米国の12月のコンファレンスボード消費者信頼感指数と11月の中古住宅販売、23日に米国の11月の耐久財受注と個人支出、個人所得、新築住宅販売などが予定されている。
(鷲尾香一)