面談シートを活用して部下の自律的な働き方を促す「仕事の具体化」《前編》(前川孝雄)

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   【第5回】リモートワーク下で求められる「支援型マネジメント」の第2のポイントは、部下の「仕事の具体化」です。第1のポイントの期初面談による「責任の明確化」を踏まえ、部下の今期(半年間を想定)の具体的な仕事の目標を定め、リモート下であっても自律的に仕事に取り組める態勢を整えます。

   私が開発した「任用面談シート」をもとに、上司が部下と面談を行いながら、部下の仕事の具体化を支援する手順とポイントを解説しましょう。

  • 部下が自律的に働くリモートワークとは……(写真はイメージ)
    部下が自律的に働くリモートワークとは……(写真はイメージ)
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部下の「今期のミッション」を定める

   ミッションとは、任せる業務です。まず、上司は部下との任用面談(任せる仕事を具体化し動機づけする面談)に先立ち、「任用面談シート」に事前記入を行います。

   部下と行った期初面談の結果を振り返りながら、その際に用いた「メンバー育成計画シート」(「部下一人ひとりが主体的に働くようになるマネジメントの起点『責任の明確化』〈前編〉〈後編〉」2021年11月10日付、11日付に掲載)への事前記入内容で変更がないものはそのまま転記し、面談の結果修正を要する点は整理して記入します。「任用面談シート」記入例の黒字部分が該当します。

   参考リンク:「部下一人ひとりが主体的に働くようになるマネジメントの起点『責任の明確化』〈前編〉」(2021年11月10日付)

   「部下一人ひとりが主体的に働くようになるマネジメントの起点『責任の明確化』〈後編〉」(2021年11月11日付)

   シート中段の「今期のミッション」(記入例の赤字と青字の欄)が、任用面談のメイン部分です。上司は部下への依頼事項として、赤字部分を以下の要領で検討し、記入します。

   → 「優先順位順」の枠...... 今後6か月間に部下に取り組んでほしいミッション=より具体的な業務の項目を記入

   → 「シェア」の枠...... 本人の仕事全体の中での、各ミッションの重みづけ(部下が力を割く割合)。合計100%で記入。

   上司はここまで記入し、「意志目標」や「1か月、3か月、6か月」の記入欄(青字の部分)は空欄のまま残します。

   このシートへの記入のポイントは、部下との期初面談の結果を十分に踏まえながら、次の任用面談で部下を前向きに動機づけできる内容に仕上げることです。部下本人の将来へのキャリア希望と上司の期待を土台に、本人の強みを活かし弱みを補強する視点を加味しながら、「任せたい役割・仕事」の領域で本人に当面力を発揮してもらうに相応しい業務として「今期のミッション」を書き込みます。

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