地銀再編が活発になった1年、さて来年は?
2021年は地銀再編の動きが活発な年だった。1月には第四銀行(新潟市)と北越銀行(新潟県長岡市)が合併して、第四北越銀行(新潟市)が誕生。5月には三重銀行(三重県四日市市)と第三銀行(三重県松阪市)が合併して、三十三銀行(四日市市)が発足した。10月には福井銀行(福井市)が福邦銀行(福井市)を子会社化し、11月には青森銀行(青森市)とみちのく銀行(青森市)が経営統合に最終合意した。
これらに共通するのは、同じ県内に本店があり、主要営業エリアが重なっていることだ。
同一県内の地銀再編を巡っては、長崎県内に本店があった地銀2行の経営統合が実現すると県内融資シェアが一定水準を超えるとして、公正取引委員会が難色を示した事例があった。このままでは地銀再編が進まないため、政府は2020年、同一県内の地銀再編を独占禁止法の適用から時限的に除外する特例法を施行。この動きに前後して、同じ県内の地銀再編が一気に動き出したわけだ。
もっとも地銀の規模が拡大して経営効率化が進んでも、超低金利や少子高齢化、地域経済の低迷で衰えている「稼ぐ力」まで改善するとは限らない。愛知銀行と中京銀行を含め、再編に動き出した地銀の真価が試されるのは、これからだ。
(ジャーナリスト 済田経夫)