「朝礼で社長に挨拶をする社風がなじめない」
2位は「求人内容との相違」だった。こんなケースが多い。
「『希望があれば土日に休める』と聞いていたが、入社してから実際は冠婚葬祭などでないと土日は休めないとわかった」(女性、転職時24歳)
「『1か月後、必ず正社員になれる』という話だったが、入社してから『実際にはなれるか怪しい』と言われた」(男性、転職時27歳)
「事務と言われていたのに職種が違った」(男性、転職時38歳)
「仕事内容や労働環境が、求人票や面接での説明内容と違った」という声が多い。求人内容と現実に大きな違いがあると、「この会社を信用していいのか」という疑念と、「知っていたら入社していなかったのに」という後悔が湧き起こる。そして、会社への不信感が募り、退職・転職を決意するのだ。
3位は「仕事内容への不満」だった。こんな事例があった。
「親が喜ぶので入社したが事務職は苦手で、入社した当日に『この人生は間違いだ』と強く思ったので転職しました」(女性、転職時19歳)
「営業の仕事についたが、想像以上にキツク、自分の性格には合わないと思った」(女性、転職時24歳)
ほかにも「会社が扱う商品に魅力を感じなかった」「想像以上にプレッシャーの大きい仕事だった」などの回答があった。初めての就職や異業種への転職だと、「イメージと違う」といったミスマッチが起こりやすくなる。
4位は「社風になじめない」だ。こんな風に暗い雰囲気の職場だった。
「朝礼で、1人ずつ大声で社長に挨拶をする社風がまったく合わなかった」(女性、転職時28歳)
「挨拶ひとつない職場だった。コミュニケーションを取りながら、いい雰囲気で働きたいので辞めました」(男性、転職時37歳)
「なじめない社風」の例としては、「社内の雰囲気がいつも暗かった」「空気が常に張り詰めていた」などの回答があげられる。「人間関係」と同じく、「社風」も実際に入社してみないとわからない。一人が頑張っても変えられるものではない。辞めるしかなかったのだろう。
ちなみに「収入への不満」を理由に挙げた人は4人しかいなかった。「人間関係」を含む「職場の雰囲気の悪さ」が、早い転職の引き金になっている。
なお調査は、入社後1か月以内に転職した経験のある人を対象に、2021年10月9日~28日にインターネットで実施。383人(女性223人、男性160人)から回答を得た。
(福田和郎)