「ええっ! 先週入社したばかりなのにもう辞めちゃうの?」
「石の上にも3年」という言葉が死語になり、新入社員の3割が3年以内に辞める時代だが、なんと入社後1か月以内に辞める人も後を絶たないご時世のようだ。
入社してすぐに辞める人は、会社のどこが気にいらないのだろうか? 転職支援サービスのビズヒッツ(三重県鈴鹿市)が「入社後すぐに転職した理由ランキング 経験者383人アンケート調査」を、2021年12月7日に発表した。
そこから見えてくる、素早く見切りをつける「転職事情」とは――。
ダントツ1位は「職場の人間関係が最悪」
調査は入社後すぐに(1か月以内)に転職した経験を持つ人を対象に行った。入社2週間以内に転職した人が半数(57%)を超え、3日以内に転職した人も5人に1人(19%)いた。かなり早い段階で転職、退職している人が多い。
辞めた人の多くは、「初日から無理だと感じたが、すぐ辞めるのも気がひけて1週間我慢した」「給料の締め日を待って退職した」などと語っており、入社してすぐに「合わない」と感じたようだ。
「すぐに転職してよかったか」を聞くと、「とてもよかった」(75%)、「まあよかった」(19%)を合わせ、圧倒的多数の94%が「辞めて正解!」と答えている=図表1参照。我慢してストレスをため込むより、第一印象の「合わない」という直感を大事にして、自分に合う次の仕事を探すことに決めたようだ。
では、なぜすぐに辞めたのか。入社後すぐに辞めた理由で、ダントツで1位になったのは「人間関係への不満」だ=図表2参照。具体的なケースを紹介すると――。
「仕事内容自体は申し分ありませんでしたが、社員同士がギスギスしていて、仕事をする上でよい環境ではないと感じた」(女性、転職時19歳)
「上司は決して悪い人ではなかったが、ものすごい体育会系のノリなので、一緒にいて疲れた」(男性、転職時26歳)
「データ入力の派遣社員として入社したが、正社員の方たちと合わず退職しました」(女性、転職時30歳)
このほか、「上司・先輩との相性が悪かった」「経営者の態度が傲慢だった」などの回答もあった。いずれも仕事の内容自体の不満ではないが、やはり人間関係が悪いと、ますます仕事をすることがイヤになってしまうのだ。