他と一線画す「エンタメSIM」で魅了! 存在感高まるy.u mobileの事業戦略とは?

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

「550円で提供する『10分かけ放題』には訴求力がある」

――さらに、スピード感のある事業展開が続きます。12月15日、国内通話の「10分かけ放題」を月額858円→550円に、「無制限かけ放題」を2970円→1400円に値下げする、と発表がありました(専用アプリから発信)。

鹿瀬島さん「2022年1月分から適用される『かけ放題』の料金に関しては、ようやくユーザーの声をかなえられましたね。正直ベースで話すと、以前の『無制限かけ放題』は他社と比べ、競争力として弱いところがありました......。しかし今回、念願かなって原価を下げることができ、値下げが実現。また、『10分かけ放題』は、すでに競争力のある価格設定でしたが、原価が下がった分、こちらも思い切って値下げしました」
2021年12月15日に発表された「10分かけ放題」「無制限かけ放題」の料金改定
2021年12月15日に発表された「10分かけ放題」「無制限かけ放題」の料金改定

――「10分かけ放題」と「無制限かけ放題」、どちらを選ぶ傾向がありますか?

鹿瀬島さん「『10分かけ放題』を利用するユーザーが多いですね。関連する話として、私たちの独自調査では、通話は7~8分ほどという人も多く、つまり5分では足りないと感じているようです。そうした背景もあり、今回、550円で提供する『10分かけ放題』には訴求力があるのでは、と考えています。
利用したい場合はウェブサイトを通じて申し込むほか、グループ会社である全国のヤマダデンキ店頭に行けば、カウンターがあります。自分での申し込みが不安な場合は、ぜひ店頭へお越しください。
余談ですが、関西の3店舗では、『リモート接客』をテスト的に取り入れました。店頭カウンターにはタブレットを設け、画面を介して、Y.U-mobileの社員が接客するのです。ヤマダデンキの店員はSIMカードの受け渡しなど、最小限の接客にとどまります。新型コロナウイルスの影響下で、ユーザーに寄り添うことを考えて実施しました。が、よしあしあるので、今後の導入は検討中です」

――ユーザーを大事にする姿勢が伝わってきました。最後に、いま注目している携帯電話業界の動向を教えてください。

鹿瀬島さん「2つあります。1つ目は高速通信規格『5G』の動向。サービスの環境が整ってきたら、どのようなサービスを提供できるか含め、関心の高い分野です。2つ目は、スマートフォンなどデバイスに内蔵されている『eSIM』への対応。こちらのほうが、より動きがはやそうです」
「eSIM普及への期待は高い」と鹿瀬島さん
「eSIM普及への期待は高い」と鹿瀬島さん

――eSIMのメリットは、どのような点でしょうか。

鹿瀬島さん「現在、多くの人が使うSIMカードを入れ替える場面は、機種変更やキャリア変更の時。そして、入れ替え自体や、それにともなう設定の変更は、ひと手間かかるものです。一度やっても、忘れてしまう人は多いのではないでしょうか。しかし、eSIMであれば、契約の手続きなどが簡単になると思います。
別の言い方をすると、事業者にとっては、魅力のないサービスを提供したらユーザーに見切られてしまいます。一方で、優れたサービスを提供していたら、すぐに乗り換えてもらえる。それがMVNO業界の活性化にもなりますし、私たちの強みも生かせるのではと期待しています。
こうした先行きを見据えつつ、ユーザーの声も取り入れ、特色あるサービスをこれからも提供し続けていきたい。いまも『価格.com』では人気ランキングの上位につけていますが、最も選ばれるMVNOサービスとして、知名度も高められたらと思っています」

(会社ウォッチ編集部)

姉妹サイト