「カットイン」成功企業がやってる「こんな手法」! 重要なのは「リアル」とはひと味違うコンテンツづくり(藤崎健一)

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アンケート調査の真の狙いは......

   結果はすこぶる良好。リアル開催ではその後の関係づくりがしにくかったセミナー当日の都合が付かなかった方や、開催後にセミナーを知った方とも接触することができ、オンラインでの個別相談窓口には思いのほか多くの問い合わせをもらうことができ、営業のチャンスが従来以上に広がることになったのです。

   従来のリアル開催セミナーを、セミナー、動画配信、資料ダウンロードと、複数をコンテンツ化することで、1粒を3粒分の情報に転化させ、ビジネスチャンスを広げたといえます。

   しかも限られたセミナー参加者だけをターゲットとするのではなく、誰でも、いつでも、どこからでも情報にアクセスできるようにして、接触量を上げ営業機会を増やすことができた好事例なのです。ちなみに、これを機にB社では、対面営業よりも非対面営業活動のほうが多くなっています。

   事例をもう一件ご紹介しましょう。セキュリティ商材を小規模事業者へ販売しているC社の事例です。会社の財産である顧客情報や製品開発情報などの漏洩や改ざん、ウイルス感染を心配する小規模事業者の社長が営業ターゲットです。

   営業オンライン化での課題は、お悩みを教えてくれるようになるほどにまで懐に入り込むことが、なかなか容易ではないことでした。そこで同社ではWebセキュリティに関して、小規模事業者の社長宛にアンケート調査を行うことにしました。

   つまり、多くの会社からアンケートをとって、それを集計してオリジナルの有益情報を作り上げようと考えたのです。

   しかし、真の目的は調査をまとめることではなく、「集計結果をお教えしますから、アンケートにご協力ください」と話しかけて、ターゲットの状況を把握することにあります。

   規模の大小を問わず、経営者ともなれば同業他社、あるいは同規模の会社が会社運営において、どのような策を講じているかは確実に興味があることです。調査結果提供を条件にこちらが知りたいことを聞き出してやろう、というわけなのです。「ヒアリング」を兼ねた「カットイン」活動とも言えるでしょう。

大関 暁夫(おおぜき・あけお)
株式会社スタジオ02 代表取締役 企業アナリスト
東北大学経済学部(企業戦略論専攻)卒。1984年、横浜銀行に入行。現場業務および現場指導のほか、出向による新聞記者経験を含めプレス、マーケティング畑を歴任。全国銀行協会出向時には対大蔵省(当時)、対自民党のフロントマンも務めた。中央林間支店長に従事した後、2006年に独立。銀行で培った都市銀行に打ち勝つ独自の営業理論を軸に、主に地域金融機関、上場企業、ベンチャー企業のマネジメント支援および現場指導を実践している。
メディアで数多くの執筆を担当。現在、J-CAST 会社ウォッチ、ITメディア、BLOGOS、AllAboutで、マネジメント記事を連載中。
1959年生まれ。
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