政策の理念が消えて、どんどん骨抜きに
さらに、「骨抜き」の動きがどんどん進んでいる。当初あった「所得制限」をなくそうとする自治体の動きを政府が容認しようとしているのだ。
現状だと、給付の対象は夫婦どちらかの年収が960万円未満の世帯だが、条件次第では合計1900万円以上の世帯がもらえる可能性がある。それ自体が不公平だという批判がある。ところが、自治体によっては「子どもを分断したくない」として、所得制限をなくすところもある。
朝日新聞(12月14日付)「10万円給付の所得制限、なくす自治体続々 大阪でも、秋田でも...」が、こう伝える。
「政府方針をめぐり、『コロナ禍の厳しい状況は同じ』として所得制限を撤廃する地方自治体が出ている。兵庫県小野市も所得制限をなくし、18歳以下の約8800人全員を給付対象とする。政府の所得制限に基づき対象外となる約300人への給付は、市の独自財源でまかなう。
蓬?務市長は『所得制限はナンセンス。国は地方の実情をわかっていない。小さな地域では、10万円を受け取っていない子がクラスに一人だけという可能性もあり、いじめのきっかけにもなりかねない。市民には『一律、公平に給付してほしい』という意識が強い』と指摘する」
小さなコミュニティーでは、「差別問題」になりかねないというわけだ。こうした動きに対して、山際大志郎経済再生相は12月14日の会見で、所得制限を独自の判断で撤廃する自治体の取り組みを容認する考えを示した。
「地方自治体の工夫の一つだ。独自で財源を確保し、それで給付をするところが出てきたとしても、よろしいんじゃないか」
と述べたのだった。ただし、その分は補助金を出さないと念を押したのだが......。