「家事手伝い」と「家事代行」はどう違うの?
――そういえば、若い世代の回答者の中には、「家事手伝い」の意味がわからず、「家事代行とどう違うの?」と疑問に思った人も少なくありませんでした。
川上さん「今は夫婦共働き世帯の数が、専業主婦世帯の2倍以上に及びます。今の主婦層は『家事』だけに専念せず、外に出て稼ぐ仕事にも従事しているケースのほうが多くなっています。全体としては、圧倒的に就労志向の主婦のほうが多いと言えます。そのような時代の流れから、『家事手伝い』という肩書きは自然と聞かれなくなっていったのではないかと思います」
――今回、「家事手伝いはニート、無職ですよ。娘さんはホントに家事をやっているの?」と、その言葉を使った投稿者に対する批判の声が上がっています。
川上さん「『家事手伝い』という、最近では聞かれなくなった言葉がクローズアップされたため、花嫁修業のようなことをやっているのか? という質問が出るのだと思います。外に出て収入を得る仕事に就いていない以上、実質的には無職という肩書きの言い換えになってしまうのだと思います。
しかし、決して無職であることが悪いわけではないですし、何もせずニートと呼ばれる状況であったとしても、それが責められるべきこととは言えないはずです。その人が抱えている事情はそれぞれであり、どんな背景があるのかも踏まえず、一方的に責めたり批判したりする姿勢は間違っています。
一方で、娘さんの意思が見えてこないことには、違和感を覚えます。投稿者さんの悩みは、娘さんの人生を案じているのか、世間体や今後の生活など、投稿者さんご自身のことを案じているのかが今ひとつわかりにくいと感じます。投稿者さんに批判的な意見が寄せられるのは、娘さんの人生を案じているように見えて、実は投稿者さん自身にとっての心配ごとを娘さんに押しつけているように見えてしまうことも関係しているのではないでしょうか」