「愚策の極み!」クーポン配布に固執する岸田政権にエコノミストが「ノー!」経済効果なし......

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困窮対策としても、経済対策としても中途半端

   ヤフーニュースのヤフコメ欄には、専門家たちから批判の投稿が相次いでいる。

   日本大学教授で、内閣府子供の貧困対策に関する有識者会議構成員の末冨芳(すえとみ・かおる)氏は、ややこしいクーポンの設計を市町村に丸投げした政府を、こう糾弾した。

「松野博一官房長官のコメントを見る限り、クーポンが何に使えるのかは自治体に丸投げ、事業者さんも登録コストなどの負担がかかります。地域で限られた使途にしか使えないクーポン給付は子育て支援として意味がありません。それよりは食費や衣料費、電気ガス水道や教育費に使える現金給付のほうがよほど助かります」

   そして、末冨芳氏はそもそも空前の少子化の中で、子どもを産み、育てる苦労は所得の高い人も同じだとして、所得制限を設けることにこう反対した。

「今回排除された高所得(?)とされる層でも子育ては決して楽ではなく、高く納税して子どもまで育てている人を排除するやり方で次の世代の日本国が維持できるのか疑問です。国民なくして国家なし、だということを自民党の政治家こそ理解しているはずです。ならば全力で所得制限なき子育て世代支援をすべきでしょう」
クーポンは子どもたちの新学期に間に合うのか?(写真はイメージ)
クーポンは子どもたちの新学期に間に合うのか?(写真はイメージ)

   エコノミストで経済評論家の門倉貴史氏は、困窮対策なのか経済対策なのかわからない、中途半端な政策だと追及した。

「18歳以下への10万円相当の支給は、困窮対策として見た場合も、経済対策(消費喚起策)として見た場合も中途半端な政策で、ワイズスペンディング(賢い支出)とは言い難い。困窮対策としてみると、給付対象から19歳以上の学生や独身のワーキングプア、子どものいないワーキングプア世帯が漏れてしまっていることが一番の問題だろう。
また、給付金額についても一度限りの10万円相当の支給では困窮世帯にとっては十分な支援とはいえない。一方、経済対策として見た場合、現金であろうとクーポンであろうと受け取った10万円相当の半分以上は貯金に回るとみられ、消費を押し上げる効果も期待薄だ。政府が、いくら現金やクーポンを積んでも国民の『購買意欲』を買うことなどできないのだ」
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