政府の恫喝「現金支給の自治体には予算は出さない」
しかし、ここで不気味なのは「謀反」を起こす自治体に対する政府の反撃の動きだ。松野博一官房長官は12月9日の記者会見で、「現金5万円は年内に支給するが、残る5万円分のクーポンは来春の卒業、入学シーズンまでに配る予定で、それぞれ別の給付措置だ。同時に配ることは想定していない」と述べたことだった。
これは裏を返すと、「現金とクーポンはそれぞれ別の予算措置であり、勝手に自治体がクーポンを現金支給にするなら、政府からはカネを出さない。自治体の予算でおやりなさい」とけん制しているに等しい。
事実、東京新聞(12月9日付)「5万円クーポンより現金派の自治体続々 印刷や配布が煩雑、商品やサービスの線引き難しく」は、恫喝まがいの政府高官の発言をこう紹介している。
「首相は衆院本会議で『クーポン給付を原則として検討してほしい。どのような場合に(全額)現金給付ができるかは、自治体の意見をうかがいつつ具体的な運用方法を検討する』と語った。ただ、自治体が独自判断で現金給付に切り替えた場合について、政府高官は『クーポン給付とは異なる取り組みなので、5万円分の財源は自治体が負担することになる』と語り、国の予算を使うことを見送る考えを示した」