天皇・皇后両陛下の長女、愛子さまが20歳の誕生日を迎えられました。愛子さまは文書で成年にあたっての感想を公表。「成年皇族の一員として、できる限り両陛下をお助けしていきたい」との真摯なメッセージに、「あの、愛子ちゃんも大きくなって...」と、胸が熱くなった方も多いのではないでしょうか。
成人皇族となった愛子さまに海外メディアの注目も集まっていますが、やはり気になるのは「あのこと」のようです。
「無名のプリンセス」が世界の表舞台に登場!
20歳の誕生日を迎えた愛子さまが皇居・宮殿で成年行事に臨まれて、成年女性皇族の正装のティアラを着用したロングドレス姿を初披露しました。
清楚なドレスに身を包んで初々しく微笑む愛子さまの姿に、不思議なくらいほっこりした気持ちになりましたが、もちろん、ロイヤルファミリーネタが大好物の海外メディアも黙ってはいません! さっそく、各国のメディアに愛子さまのドレス姿が華々しく掲載されました!
Japanese princess celebrates coming of age
(日本のプリンセスが「成人」をお祝いした:ロイター通信)
coming of age:成人式
「成人式」を表す英語は「coming of age」です。「age」は「年齢」ですから、「ある年齢」つまり、「成人とみなされる年齢に達する」という意味です。愛子さまのドレス姿に目をつけたのは、マスメディアだけではありません。イギリスのファッション雑誌は次のようにゴージャスに報じていました。
Princess Aiko ascends to the world stage!
(プリンセス愛子が、世界の晴れ舞台に登場!:イギリスのファッション誌)
ascend to:~に登場する、現れる、登りつめる
記事では、愛子さまのことを「princess you've never heard of」(あなたが今まで名前を聞いたことがないプリンセス)と紹介。「無名」のプリンセスが彗星のごとく現れて、華々しく国際デビューしたような「ミステリアスなドラマ性」を強調していました。さすが、ファッション雑誌! 新しいロイヤルスターの出現を巧みに演出したといえます。
海外のファッション雑誌は、ロイヤルファミリーウオッチが定番ネタで、ファッションだけではなく、公務や生活ぶりをこまめにレポートしてファンのニーズにこたえています。愛子さまの登場で、日本の皇室に注目が集まることは、間違いなさそうです。
「波風を立てない」愛子さま、眞子さんとの違いは......
とはいえ、辛口報道が「お約束」の海外メディアです。お祝いモードのなかにも「ピリリ」とひねりを効かせた報道も見受けられました。米ヤフーニュースは、女性皇族の皇位継承について「ジェンダー問題」の切り口で報じています。
Princess Aiko, the only child of Japan's emperor who can't inherit his title because of her gender
(日本天皇の一人っ子であるプリンセス愛子は、彼女のジェンダーのために皇位を継承することができない:米ヤフーニュース)
inherit:継承する、相続する
さらに、いくつかのメディアが取り上げていたのが、小室圭さんと結婚して民間人になられた眞子さんのことでした。あるメディアは、日本国内では小室氏のことを「gold digger」(玉の輿)と非難する人々が存在する、とする米高級紙ニューヨーク・タイムズの記事を引用しながら、愛子さまの成年にあたっての感想が、「世論の反発を気にして当たり障りのない内容だった」、とまで報じていました。
なかには、もう一歩踏み込んで、愛子さまは眞子さんと違って、決して「rock the boat」(波風を立てる)ことはない、というコメントを紹介しているメディアもありました。しばらくは、眞子さんの話題から逃れられそうにありません。
それでは、「今週のニュースな英語」は「rock the boat」(波風を立てる)を使った表現をご紹介しましょう。「余計な揉め事を起こす」という意味です。
Don't rock the boat!
(余計な波風を立てるな!)
Don't rock the boat by spreading stupid rumors!
(下らないことを言いふらして波風を立てるな!)
Don't rock the boat until the negotiations are finished.
(交渉が終わるまで、余計なもめ事を起こすな)
「成人式」を表す「coming of age」には、「新しい時代の到来」という意味もあるそうです。皇室をめぐるドタバタ劇を吹き飛ばすような愛子さまのはにかんだ笑顔に、新しい時代の訪れを感じました。(井津川倫子)