コロナ禍、デジタルで明暗分かれる来年の業界予測【12月は、2022年をのぞき見する一冊】

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「携帯電話販売代理店」は雨模様......

   一方、DXに取り組む企業の割合はまだ5割に満たない。逆に言えば、それだけ潜在市場は大きい訳で、これらから大化けする企業も生まれてくる、と見ている。

   民間企業に混じって、「中央省庁」を取り上げているのが意外だった。コロナ対策で歳出が急拡大し、デジタル改革にも本腰を入れ始めたため、取り上げられた。

   2021年9月に発足したデジタル庁の組織を解説している。プロジェクトベースの柔軟な組織で、事務方トップの「デジタル監」を支えるCXOは民間登用の非常勤だ。

   いくつか注目業界の動向を見出しで紹介しよう。

・ 5G 「快晴」超高速だけではない魅力満載。多くの業界に経済効果が波及
・ 半導体 「快晴」世界的に需給が逼迫、半導体不足は22年前半まで続く見通し
・ 次世代自動車 「薄曇り」急激に広がる電動化。自動運転はレベル3が世界初登場
・ リチウムイオン電池 「快晴」中国・韓国勢の成長は止まらず、日本勢も食らいつく
・ ベンチャー・VC 「曇り」ベンチャーバブルは一服、投資先の選別姿勢はよりシビアに
・ キャッシュレス 「晴れ」現金代替の流れは継続、ビッグデータ収集にも意欲
・ 中食・宅配 「薄曇り」巣ごもり特需一服後も成長続くが、宅配では業界再編も

   多くの業界が、「晴れ」「薄曇り」「曇り」の予測となっている中で、「雨」になっているのが、「携帯電話販売代理店」だ。大手キャリア3社が報奨金削減や店舗縮小を進め、逆風が強まりそうだ。このほかの「雨」業界は、「セメント」「地方銀行」「信用金庫・信用組合」「証券・ネット証券」「たばこ」「医薬品」「文房具・事務用品」「プロスポーツ」「出版・書店」「印刷」「パチンコ・パチスロ」「病院グループ」など。顔触れを見ると、なんとなく納得するだろう。

   その半面、2021年後半の「雨」から「「曇り」に転じたのが、「鉄道(JR、私鉄とも)」「百貨店」などだ。コロナ禍の影響を最も受けた「外食(ファミレス、すし、居酒屋)」は、「大雨」から「雨」の予測。業態転換や新業態の育成に活路を見出している。

   一方で投資余力のある企業は次の一手を着々と打っているという。くら寿司は立地補完をにらみ、郊外中心の展開から都心駅前への出店を強化している、と書いている。評者の近くのくら寿司も行列ができる繁盛店だったが、先日閉店した。「なぜだろう?」といぶかしく思っていたが、こうした立地戦略の変化と知り、納得した。

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