新生銀行 vs SBIの争いに決着がついた。
ネット金融大手のSBIホールディングス(HD)が新生銀行に株式の公開買い付け(TOB)を仕掛け、反発する新生銀行が買収防衛策の導入を打ち出し、対立していた問題は、新生銀行が買収防衛を取り下げ、SBI傘下入りすることになった。
新生銀行の大株主である国も巻き込んだ泥仕合は、ひとまずSBIの勝利で幕を閉じる。
SBI、新生銀行の「強み活かす」経営で成長
J-CASTニュース 会社ウォッチが「SBIの周到なTOBに進退窮まった新生銀行 『ホワイトナイト』は現れるのか!?」(2021年9月19日付)で詳報したように、新生銀行の株式の約2割を握るSBIは2021年9月に新生銀行の同意がないまま、「敵対的TOB」を開始。1株2000円(TOB開始前の1300~1400円程度に約4割上乗せ)で約1100億円を投じて、最大48%まで保有比率を引き上げ、連結子会社化すると打ち上げた。
ちなみに、最大48%にとどめたのは、50%超の株を取得すると、SBIは法律的に「銀行持ち株会社」になり、金融と関係が薄い事業が制限されるなどの規制を避けるためだ。
SBIは、自身が提携する地方銀行との相乗効果や、新生銀行が強みを持つ消費者金融事業を活用することで成長できると訴えた。
これに対し新生銀行は「大きな相乗効果は望めない」と否定的な考えを繰り返し、9月17日の取締役会で、TOBへの対抗措置として、SBI以外の株主に新株を無償で配る「ポイズンピル」(毒薬条項)を導入し、SBIの持ち株比率を下げて買収を阻止する方針を決定した。
その後、両社は株主に働きかけつつ話し合いも重ねたが、折り合わないまま新生銀行が11月に25日に臨時株主総会を開いて防衛策導入を諮ることになり、SBIはTOB期間を当初の10月25日までから12月8日まで延期し、新生銀行の総会に向けて水面下の攻防が激化していた。