旅行業・ホテルの一部は「アイデア」で復調
例年、上位に数多くランクインする食品メーカーは今回も強く、前年と同じくアサヒ飲料(4位)、味の素(6位)、ロッテ(8位)がトップ10入りした。巣ごもり需要で業績も好調な企業が多く、また従来からの消費財メーカーの強みを発揮してトップ50に11社も入った。
さらに人気だったのが、ユニークな旅のアイデアを出した旅行業者やホテルだ。旅行・ホテル業は、コロナ禍で大打撃を受けたが、機転を利かせた取り組みが評価されたようだ。
自宅から1~2時間の近所旅行を楽しむ「マイクロツーリズム」を打ち出した星野リゾート・マネジメントが21位(前年92位)に。また、「30泊36万円」の破格の格安事業を始めた帝国ホテルが53位(前年200位)、ディズニー・リゾートを組んださまざまなイベントを企画したミリアルリゾートホテルズが70位(同220位)と、旅行大手が苦戦するなか、順位を上げている。
ホテル業界はコロナ禍でも採用を続ける企業が多く、旅行関連サービス系の仕事を希望する学生の受け皿になっている。
その一方、航空大手の凋落が著しい。過去に2016年卒~2019年卒のランキングでは総合4連覇だったANA(全日本空輸)が121位、JAL(日本航空)も152位と、航空大手2社がそろって100位以内に入らなかった。
2021年に入っても緊急事態宣言が断続的に出され、海外との人の流れが制限されたこと。ANAでは大量の希望退職募集がニュースになり、両社が2022年新卒採用をほとんどの職種で見合わせたこともあり、志望者が大きく減ったことが影響している。