「テレビドラマの編集者がカッコいい!」
「あの知事さんの下で働きたい!」
就職情報サービスの「学情」が、2023年卒学生を対象にした「就職人気企業ランキング」を2021年12月2日に発表した。
新型コロナウイルス感染症が拡大したこの1年、人気が上昇した会社もあれば、下がった会社もある。また、根強い人気を誇る会社も――。ランキングから就活最前線の実態を探ると......。
「出版不況」どこ吹く風、編集者が大人気の理由は?
総合ランキングのトップは4年連続で伊藤忠商事となった。新型コロナウイルス感染症の影響で、売り上げや利益を減らす大手企業が多かったなか、情報・金融部門の好調などもあり、純利益で5年ぶりに商社首位に。そのニュースも好材料となったようだ。
また、ほかの大手商社も2021年9月期決算では軒並み最高益を記録する好調ぶりを反映し、三菱商事49位、住友商事83位、三井物産98位、丸紅99位とそろって上位100位にランクインした。
今年(2021年)は、出版業界の強さが目立った。2位に講談社、3位に集英社、12位にKADOKAWA、43位に小学館、96位に新潮社と100位までに6社が入っている。出版業界は一時期、インターネットに押されて「出版不況」と言われたが、近年は漫画・アニメブームがけん引したことに加え、ビジネスのデジタル化が進んだことも人気復活の大きな理由だ。
講談社は、昨年11月期の決算で、デジタル・版権分野を中心とした「事業収入」が、初めて紙媒体の「製品」売り上げを上回り、従来の出版社の事業構造から抜け出し、成長軌道に乗った。電子書籍市場ではコミックが9割近くを占めており、漫画コンテンツのデジタル化が出版業界の業績を支えている。
また、出版人気の復活の背景には、テレビドラマの影響もありそうだ。近年、テレビにはファッション誌や漫画誌、週刊誌のカッコいい編集者や記者が活躍するドラマが数多く登場している。
今年(2021年)に入ってからでも、川口春奈さん主演の「着飾る恋には理由があって」、江口のりこさんの「スーパーリッチ」、北川景子さんの「リコカツ」、小芝風花さんの「彼女はキレイだった」、吉岡里帆さんの「レンアイ漫画家」、芳根京子さんの「半径5メートル」、杏さんの「日本沈没―希望のひと―」、堀内敬子さんの「和田家の男たち」と、ズラリとならぶ。
こうしたドラマの中での女優の活躍が、出版社のイメージアップにつながっているようだ。
その一方で、新聞社の人気は落ち続けている。100位以内に入った新聞社はなく、200位までを見ると、やっと朝日新聞社が114位(前年85位)、読売新聞が200位(前年122位)と、ともに順位を下げながらランクインしている。