東京外国為替市場 注目される米経済指標
ドル・円予想レンジ:1ドル=112円00銭~114円00銭
2021年12月3日(金)終値 112円80銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの上値が重い展開か。
前週のドル円相場は、ドルが弱含みとなった。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の世界的な拡大により、リスク回避の円買いが優勢となり、ドル円は一時1ドル=112円台半ばまでドルが下落した。
今週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開となりそうだ。オミクロン株の感染拡大を受けて、米国の長期金利が低下しており、リスク選好のドル買い動きは乏しい。また、前週の米議会証言でFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が、量的緩和の縮小(テーパリング)のペースを加速することを12月14~15日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で協議すると発言したものの、米国の長期金利は上昇せず、早期の金融緩和縮小を材料としたリスク選好のドル買いも見られていない。
米国の金融政策の先行きを占う点からも、米国の経済指標が注目される。
経済指標は、国内では7日に10月の家計調査と景気動向指数、8日に11月の景気ウォッチャー調査、9日に10~12月期法人企業景気予測調査、11月の工作機械受注、10日にメジャーSQ、11月の企業物価指数などが予定されている。
海外では、7日に中国の11月貿易収支、米国の10月貿易収支、9日に中国の11月の消費者物価指数と生産者物価指数、10日に米国の11月の消費者物価指数と財政収支などが予定されている。
(鷲尾香一)