コロナ禍で加速するデジタル化 2022年大予測【12月は、2022年をのぞき見する一冊】

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2022年はドローン飛躍の年に!

   経済産業省は2021年6月の産業構造審議会総会で、ポスト・アベノミクスとなる「経済産業政策の新機軸」を打ち出した。大きな方向性(案)として、経済と環境の好循環(グリーン成長戦略)などの方向性を示した。

   金融機関にとって喫緊の課題は、サステナビリティがわかる人材の獲得・育成であり、とくに地域金融機関は、これまで以上に、地域資源の価値を持続可能性の観点で見直してみることが必要である、と指摘している。

   キーワードでは、22年はドローン飛躍の年になるだろうという「ドローン活用」が興味深かった。22年にレベル4(有人地帯での目視外飛行)を実現させるため、飛行環境整備が段階的に進められてきた。

   物流では、食料品・日用品・医薬品のラストマイル配送としてドローンを活用することで、増大する物流ニーズへ対応することが可能になる。また、インフラ分野では送電線などの点検に活用されることが期待されている。

   産業にかかわるキーワードでは、デジタル通貨、シェアリングエコノミー、データセンター、フィンテック、スマートファクトリーなどデジタル関連のものが目立つ。

   このほかの分野でもデジタル関連が登場する。企業経営では、DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略、オンラインサロン、雇用ではリスキリング(DXのための職業能力の再開発)、社会・文化ではデータサイエンス教育、eスポーツ、少子・高齢化ではオンライン服薬指導といった具合だ。

   2021年にはデジタル庁が発足。進まないと言われていた日本でもデジタル化の波が押し寄せてきた。本書を通じて、デジタルと無縁の分野はどこにもないことを痛感した。22年の大学入試では、データサイエンス学部・学科が台風の目になりそうだと予想されている。

   一般の人はワクチン接種のデジタル証明書という形でも、デジタル化を意識することになるかもしれない。「紙」で管理されてきた証明書が、「デジタル」を前提に議論され、制度化されることになりそうだ。(渡辺淳悦)

   「2022年 日本はこうなる」
三菱UFJリサーチ&コンサルティング編
1980円(税込)

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