対面ビジネスの需要が蒸発したコロナ禍。飲食業は持ち帰りや宅配に活路を見いだしたが、交通機関や宿泊のように利用者の移動を前提としたビジネスは感染症の影響の大きさが露呈した。
感染の世界的な波が依然として収まらないなか、世界中でさまざまなホテルブランドを展開する米ヒルトンが最上級ブランドを2025年度上期に大阪市北区で開業すると発表した。その狙いは何か――。
各国の元首クラスが利用した超高級ホテル
ホテルの名称は「ウォルドーフ・アストリア大阪」。米ニューヨークのマンハッタンで100年以上の歴史を誇り、各国の元首クラスも利用した超高級ホテル「ウォルドーフ・アストリア」のブランドを冠している。
このブランドのホテルは、世界の大都市や有名リゾート地などに計35か所あり、日本では大阪が初進出となる。翌2026年には、東京都中央区に「ウォルドーフ・アストリア東京日本橋」の開業も予定されている。
ウォルドーフ・アストリア大阪は、JR大阪駅の徒歩圏に建設される高層ビルの28階から38階に入り、50平方メートルを中心とする252室の客室のほか、ラウンジやレストラン、スパ、屋内プール、チャペルなどを設置する予定だ。客室の料金は未定だが、ヒルトンのブランドの中でも最上位となる見通し。
大阪市内で記者会見したヒルトンのティモシー・ソーパー地区代表は、
「ビジネスよりもレジャーで訪れる人が利用すると考えている」
と述べた。
そのすぐ近くの別のビルにも、ヒルトンは別ブランドで「ライフスタイルホテル」と位置付ける「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」を、2024年度上期にオープンする。こちらは32平方メートルを中心とする308室を構え、ラウンジやレストランも備える予定だ。