本書は、自分が得意なことを見つけ、それを商品やサービスにしてオンラインで売り上げを伸ばしていくノウハウを教える内容です。オンライン起業に必須のSNS、オンラインツールの使い方もわかります。
ゼロからスタートして、売り上げを重ね、起業を波に乗せるまでの方法を知りたい方にオススメできます。
おうちでカンタン! はじめる・稼げる 「オンライン起業」の教科書(山口朋子著)日本実業出版
自分の「当たり前」が起業・副業のタネになる?
ここに将棋をうまくなりたい人がいます。いきなり、藤井聡太棋士に教わろうとは思わないでしょう。ゴルフを始めたばかりの人が、プロゴルファーの松山英樹さんに教わろうとは思わないでしょう。クルマの運転免許を取ろうと考えたとき、F1レーサーのルイス・ハミルトンに教えてもらおうとは思わないはずです。
じつは、あなたの経験や、あなたが持っている知識や技術、特技を「教えほしい」と思う人は大勢います。自分が「当たり前」と考えていることが起業、副業の素材となるのです。
「起業」と聞くとハードルを高く感じてしまう人も多いと思います。「自分の人生、起業できるようなことをやってきてわけではないしな」「起業できる自信もないし、人に自慢できるほどのスキルもないよね!」と思ってしまいます。
ですが、起業に必要なことは、素晴らしい眼を見張るような実績や経験ではありません。誰もがそれぞれにユニークな経験を積み重ねていたり、ちょっとした特技を持っているからです。そのことに気づかないだけなのです。
以前、本書の著者、山口朋子さんに取材をした際、次のように話されていたのが印象的でした。
「女性は、結婚や出産、育児、介護、夫の転勤などでライフスタイルが変わり、キャリアが中断されることも多い。天職と感じていた建築士の仕事を、子どもの出産・育児で断念したのです」
子どもの成長を見守ることを最優先にしたかったと言います。
起業を軌道に乗せるということ
その後、山口さんは数年間の専業主婦時代を過ごし、子どもの手が離れたとき起業の道を選択します。起業は消去法で残された働き方だったようですが、好きでやっていたことが収入になっており、気づいたら「起業していた」状態だったとのことです。
また、山口さんの場合、インターネットに触れることが好きで、人に何かを教えることが苦ではなかったことから、ネットスキルを教える塾を始めます。その後、起業する女性がどんどん増えてきました。
コロナ禍ではリモートを活用できるビジネスに注目が集まっています。「自分が好きなことで」「会社以外の場所で」「家にいながら」「やりがいや収入を得られる」起業という選択肢があることにも気が付かなければなりません。
起業を思っている時こそ、自問自答しましょう。また、自らの体験や知識が、誰かの役に立つこともあるので、充分な棚卸しをして作戦を練らなくてはなりません。あなたが「得意なこと」は、誰かの「苦手なこと」でもあるわけです。
また主婦の場合、「お金を稼ぐこと」を目的としないほうがよさそうです。「家族を笑顔にすること」がもっとも大切で、結果として「お金がついて来る」ことが理想的なパターンです。子育てや家事の合間に、自分が好きなことを仕事にして収入を得て、家族の笑顔が増えることがより望ましいカタチといえるでしょう。
本書は、これからの時代に必要とされる「稼ぐ力」が身につく入門書です。
(尾藤克之)