起業を志す人よ、「外」へ出よう! ビジネスの「タネ」は豊富にある ベネフィット・ワンの白石徳生社長に聞く【後編】

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

「変革の時代」ビジネスのルールが変わる!

   ――ところで、ビジネスのタネを見つけるヒントはどのあたりにあるのでしょうか。

白石社長「ビジネスの種はその辺にゴロゴロありますよ。今、ネット社会やデジタル化だとか日本だけでなく世界中が凄まじい勢いで変化しています。変化している時は、歴史があったり、規模が大きかったりする会社は、ハンディキャップを背負ってしまうことが多いのです。たとえば大きな会社ですと、設備だったり何万人もの社員だったり、すでに多くを持ってしまっているので、舵を切るのも大変です。ベンチャー企業ですと、何も持っていないので環境が変わっても対応できます。
アメリカの現在のトップ30社は、30年以内にできた企業がほとんどです。Google、Apple 、Facebook、Amazonなどの会社がアメリカ経済を完全に押さえています。日本も間違いなくそうなります。これからアフターコロナなどで『ルールがいろいろ変わってくる』ので、起業するには絶妙なタイミングではないのでしょうか」
白石徳生社長は「インフラ産業のようなビジネスが求められる」と言う
白石徳生社長は「インフラ産業のようなビジネスが求められる」と言う

   ――プラットフォームによる「集約ビジネス」がカギになるということでしょうか。

白石社長「今後は、ますますサブスクリプションが流行すると思います。サブスクリプショは巨大なプラットフォームに全部乗せるとムダがなくなるという考え方です。たとえば物流も、まとめて共同で配送できれば、ムダがなくなると思います。各社がトラックを走らせてCO2排出するのは、SDGsを考えてもそうですよね。自由競争は時代遅れで、ナンセンス。寡占化できるビジネスを考えれば、一番いいと思います。少し前はニッチとか言われていましたが、もうニッチの時代ではないと思います。これから時代は、ニッチは淘汰されていきます。そうするとインフラ産業のようなビジネスが求められるように思います」

   ――ビジネスのルールが変わるということでしょうか。

白石社長「まさに強みが弱みになることが起きようとしています。トランプのゲーム、大貧民(大富豪)のように、ルールでは2が一番強くて3が一番弱いですが、3が一番強くて2が一番弱くなる革命が起こりうるのです。たとえば、今は東京や大阪の会社が強いと思いますが、アフターコロナの時代には、地方に本社を置く会社のほうが強くなるかもしれません。あるいは従業員をたくさん抱えた、規模の大きな会社よりも、従業員の意識改革などで中小企業のほうが動きやすかったりします。
また、強いといわれる「販路」を持っている会社は、ネット時代には販路はコストになりますから、持ってない会社のほうが強くなり得ます。たとえば自動車業界は、ディーラー(販路)を持っている会社よりも、米テスラのような販路のない会社が有利というわけです。
このように、業界ごとにゲームのルールが変わっているのです。ルールが変わるからこそ、ダイナミックに入れ替わりが起きるのだと思います」

   ――事業を成功に導くために必要な視点は、どのようなことなのでしょう。

白石社長「会社や業種業態も変化しています。何か強い会社が出てくると集約されてく傾向があります。たとえば近年、日本でグローバルに急成長した会社に『ニトリ』と『ユニクロ』があります。この2社は、もともと家具屋と洋服屋です。特殊な分野でも新しい商品でもありません。昔からやってることを、ちょっと工夫しただけです。それは消費者からすると、街の家具屋がニトリに変わり、洋服屋がユニクロに変わっただけのこと。つまり、歴史のある産業で少し工夫をして集約すると、すごい企業になっていくということです。
時代とともになくなり、変わっていく企業もそうです。業態転換などの動きは、常にどこかで起きているのです。今の時代はインターネット。ネットが普及することによって、いらなくなるビジネスを考えると、凄くあるのだと思います。たとえば、BtoBもネット金融などで劇的に変わると思いますし、営業担当のビジネスパーソンも10分の1ぐらいに減るのではないでしょうか。人材紹介もまたビジネスチャンスの宝庫といえそうです」

(聞き手 牛田肇)

姉妹サイト