人財サービスのパソナの社内ベンチャー第1号で、2004年に株式の店頭公開を果たしたベネフィット・ワン。企業の福利厚生をアウトソーシングしてもらい、請け負う会社として知られ、成長著しい。いまや、ピカピカの東証1部上場(2004年にJASDAQに上場。18年から)の企業だ。
そんなベネフィット・ワンの白石徳生社長が、起業を目指す若者らに事業化のアイデアの実現に向けて、人脈づくり、ビジネスの「タネ」の見つけ方や起業までに成すべきことなど、スタートアップの「極意」を伝授する。
「同じ志向の人は同じ空間の場所に集まる」
――起業に限らず、ビジネスを進めるうえで人との出会いは大切です。白石社長はどのように人脈を広げられてきたのでしょうか。
白石徳生社長「人脈を作ろうと思って、今すでに経営のトップに就いている偉い人に会おうとしても、それは相手にされないと思います。もちろん、講演会やセミナーなどに参加して直接話を聞く機会を設けることはいいことだと思います。しかしそれよりも、たとえば同世代、あるいは少し年上の人たちの中で、やる気のある人たち、いずれ偉くなっていくであろうと思われる人を見つけていくことがいいと思います。
30歳代の人がいきなり50歳代の人たちと人脈を作ろうと思っても無理であって、私の場合は、30歳代の同世代で上昇志向の強い人たちとの人脈を作っていったことで、自分が40歳、50歳になった時にその人たちが偉くなっていった。それだけのこと。いろんな人とお付き合いがありますが、その人が社長や副社長になってからではないのです。当時は、みなが課長だったりしたのです。大企業の社長とのお付き合いも、当時の上昇志向の強い人たちが20年ぐらい経って、社長になっていたのです。
人脈づくりは今どうこうというよりも、長い目で考えたほうがいいと思います。むしろ、同世代で、これから共に成長していくような人たちを探すのをオススメします」
――なるほど。では、上昇志向の強い人と出会うきっかけはどう作られたのでしょうか。
白石社長「私の経営者の友人も学生時代からの友人だったりします。当時、一緒に遊んだ同じ志向の友人たちが起業したのです。今は成功していますが、昔からの知り合いですから、繋がりは強いです。成功したから急に人脈が広がったわけでもありません。
考え方として、会社の中でもしがらみのない、フラットな関係で人間関係が作れれば同じ志向の人との繋がりができると思います。学生時代は一番しがらみのない時代ですから、友人関係も一番続きますね。『同じ志向の人は同じ空間の場所に集まる』これは間違いないです」