ザ・リッツ・カールトン、エディションなどのホテルを運営するマリオット・インターナショナルと、楽天グループの旅行予約サービス「楽天トラベル」が戦略的なパートナーシップを組む。
2021年12月2日の記者発表によると、シルバーランク以上の楽天会員が「楽天トラベル」を通じて、マリオット社のトラベルプログラム(ポイントプログラム)「Marriott Bonvoy(マリオット ボンヴォイ)」への入会を促すことで、楽天会員限定価格をはじめとしたさまざまな特典を得られるようになる。
こうしたパートナーシップや魅力的なサービスを足掛かりに、マリオット社は、伸びつつある日本における「ラグジュアリーな旅行」を切り口にした提案を強化していきたい考えだ。
ラグジュアリーの分野に注目するホテル・旅行業界
新型コロナウイルスの影響で、大きな打撃を受けたのがホテル・旅行関連業界だった。もっとも、現在は、ワクチン接種率の向上などから、コロナ禍の感染者数は減少傾向。それにともない政府は、消費喚起を目指し、年明け以降での「GoToトラベル」の再開を検討するなど、明るい兆しが見えてきた。
こうした状況を踏まえ、マリオット・インターナショナル アジア太平洋地区(中国を除く)プレジデントのラジーヴ・メノン氏は、会見で、
「世界中で現在、国内外への移動の規制緩和がおこなわれ、(旅行関連の市場は)回復が見られている」「旅行に関して言えば、(現状では)『ラグジュアリーな旅行をしたい』という、ラグジュアリーの分野が回復をけん引している」
と語った。
規制緩和後、消費者支出も活発のようだ。長かった自粛生活の反動による「リベンジ消費」といった言葉も聞かれるようになった。マリオット・インターナショナル 日本・グアムエリアヴァイスプレジデントのカール・ハドソン氏も、
「リベンジ消費は、ポストコロナのトレンドだ。最もしたいことリストの1位は、国内旅行が挙がっている。(また、現状では)ラグジュアリーな旅行が回復をけん引しており、多くの方が国内の豪華旅行に関心を持っている」
と指摘した。
ホテルに滞在しながら休暇を過ごす「ステイケーション」や、ホテルでバカンス気分を楽しむ「ホカンス」など、国内でのラグジュアリーな旅行を求める消費者が増えているという。また、前回も客足が伸びた「GoToトラベル」が再開となれば、国内旅行客の回復も見込めそうだ。