とうとう、最終節(2021年11月22日週)がやって来た。最後の勝負に、激勝ちしたのは同志社大学のFOXさん。今週(11月22日週)の取引は、「質の高いトレードができた気がする」と、納得のようす。タイミングを大事に、11月26日の大相場に乗った。「この金曜日のおかげで、おおきな何かがつかめたような気がした」という。
メキシコペソで攻め続けた一橋大学のボンゴレさんも、「最後は気持ちよくトレードできた」と満足げ。もちろん、シメに選んだ通貨もメキシコペソ。「偶然がっもたらした結果」というが、そこはメキシコペソにこだわった取引で得た経験がモノを言った。最終節も大勝だ。
ドル円は再び115円を試すのか?(慶応義塾大学 2Gさん)
FX大学対抗戦27週目。先週は体調が優れず休ませていただいた。今週(11月22日週)は取引を見送り、状況の確認に努めた。今回もふだんと同様に、今週の流れと今後の動きについてまとめたい。
◆ 今週の流れ22日からの週は、ドル相場が振幅した。米インフレ高進がドル高圧力となる中で、市場は次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長人事に注目した。事前の報道ではパウエル議長とブレイナード理事の一騎打ちとなっていた。週明けにはパウエル議長の続投が報じられ、ブレイナード理事は副議長に就任することとなった。
市場は、既定路線の早期利上げシナリオを確信し、ドル買いを強めた。米新規失業保険申請件数が20万人を下回るなど、一連の米経済指標はドル買いの流れを阻害せず。FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録には反応薄だった。さらに、ドイツでのコロナ感染状況が悪化。制限措置の厳格化が必要とのメルケル首相発言がユーロドル相場を圧迫した。
先週末のオーストリアでのロックダウン導入報道とともに欧州経済への不透明感が重石となった。ポンドに関してもハスケル英中央銀行委員の慎重な姿勢がポンドドルの下げを助長。日本の勤労感謝の日や米国の感謝祭での休場は市場流動性を枯渇させた面があった。
ドル指数は年初来高値を更新。しかし、週末にかけてはリスク回避の動きへと変化した。南アフリカ発の新たな変異株の報道が市場に不安感を広げ、リスク回避の円買い圧力につながった。ドル円は113円台後半から115円台半ばまで上昇したあと、再び113円台へと振幅。ドル指数は上昇幅をやや縮小、不透明感が広がる週末となった。週末にかけて円買いの動きがさらに強まり、米ニューヨーク市場で1ドル=113.05円レベルを付けるなど、一気にリスク警戒の動きが広がった。 ◆ 今後の動き
11月からテーパリング(量的緩和の縮小)を開始した米FRB。市場の次の焦点は、いつ利上げが開始され、どの程度のペースで続くのかだ。早期の利上げ期待が広がる中で、カギを握るのが、米FRBの2大命題である「雇用の最大化」と「物価の安定」であると考えられる。
10月の米PCEデフレータは前年比プラス5.0%、コア前年比プラス4.1%という高い水準にあり、加えて米消費者物価指数が前年比プラス6.2%という高い水準を示していたこともあり、インフレターゲットである2.0%を大きく上回る数字になり、利上げ期待を支える格好となった。
11月5日に発表された10月の米雇用統計からも、米国の雇用が堅調であることがわかる。今回もこうした状況が続くと期待され、力強い雇用増が見込まれる。雇用統計、特に非農業部門雇用者数が、事前予想どおり、もしくはそれ以上の強めの数字となると、再びドル買いの流れになる。ドル円は再び115円を試すような動きも期待できる。 ◆ 児山将のワンポイントアドバイス
1ドル=115円で推移していたドル円は、オミクロン株の報道で再び112円台に逆戻りとなるなど、激しい相場となっています。しかし、インフレは着実に進んでいることで、テーパリングのペースアップが市場の次のテーマとなっています。米Fed金利先物などをみると、月150億ドルを250億~300億ドルとし、6月に終えるペースとするのではないでしょうか。
すでに市場はそこまで織り込んでおり、仮に事実となっても大きくドル高は進まずに、時間とともに堅調に上昇するという相場となるのではないかとみています。要人発言や経済指標の分析、金融政策への正しい理解を進めるなど、王道分析をされるトレードでした。
おつかれさまでした。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
11月26日現在 120万3480円
最後の最後に「落とし穴」が待っていた(明治大学 佐藤諒さん)
最終週(11月22日週)が始まりました。これまでは損益ばかりを考えており、あまりランキングを意識していませんでした。しかし、1位まで7万円ほどと迫っていたため、1位を目指して頑張ろうと思い、今週をスタートさせました。今週の作戦としてはショートポジションを保有中の豪ドル円の利益を伸ばし、反転または続落を見極めることです。
ドル円相場は、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の再任による米国債利回りの上昇を受けて急上昇しましたが、115円が長期的に見ても高値であることを考慮し、追随するロング(買い)はしませんでした。結果論ですが26日(金)に113円台まで戻しているため、エントリーしなくて正解でした。
また26日(金)に南アフリカで発生している新型コロナウイルスの変異種の報道を受けて金融市場が大きく混乱しました。株式市場、為替、コモディティ、仮想通貨とすべての市場が大きく変動し、今回の取引にも影響しました。この事態は予測できるものではありませんが、対策することや、チャートから予測できるような気がしています(笑)。
【取引1】AUD/JPY 11月22日22時4分 (売りエントリー) → 11月22日22時55分(決済)
先週から持っている分に加えて同量をプラスでショートしました。先週から大きく下落し反発が小さかったため、続落すると思いショートでエントリーしました。エントリータイミング(赤矢印)後は反発せず下落するタイミングを伺っていましたが、上昇に転じ利益を得ることができませんでした。その後はヨコヨコで推移していたため資金効率的にも損切りして正解でした。この取引でマイナス6万円になります。先週からのポジションも一緒に決済しています。
【取引2】AUD/JPY 11月22日23時39分 (買いエントリー) → 11月26日22時35分(決済)
取引1を通して底入れしたと判断し、買いでエントリーを行いました。これまで大きく下落してきていたので、下落には最大限の注意を払っていましたが、「逆指値」はいれていませんでした。その後三角持ち合いのような展開になり、最終的に金曜日に大きく下落しました。そのまま戻ってくることはなく決済して、マイナス23万円になります。
ここ1か月あたりで大きく資金が増え基本を忘れてしまいました。じつはこのFX大学対抗戦の初回にも、10万円超えの大きな損失を「逆指値」をしないことにより被っており、自分の成長のなさに悔しい思いです。FX口座を開く際は損切り注文がしやすい会社を選ぼうと思います(笑)私は反転を狙う取引よりも、トレンドラインをブレイクアウトする瞬間を狙うのが好きなので、今回の下落も見ていれば取れたかもしれません。余計に悔しいですが、損失は自身の責任なので、デモ資金であったことに感謝したいと思います。
最後の最後で大きな損失を出してしまい、優勝は叶わないと思いますが、共に取引していた他大学のみなさんに刺激を貰いつつ、取引できて楽しかったです。
また、調子が良かった時期でも半年間で1.5倍とFXの難しさを思い知りました。これがリアルマネーになると、また違った心持ちになるでしょうし、損切りや利益確定も変わってしまうと思います。しかし、デモトレードを通じて、自分のチャート分析である程度戦えることがわかりました。まだまだ各通貨の関係やクセ、指標の扱い方などわからない点が多いですが、これからも取引していきたいと思います。
半年間、本当にありがとうございました。またどこかで機会があれば、よろしくお願いいたします。
取引1:マイナス6万円
取引2:マイナス23万円
保有するポジションなし ◆ 児山将のワンポイントアドバイス
最後でリスク管理の重要性が身に染みる結果となってしまいました。少しの気の緩みが大きな損失につながるという相場の怖さを体験されたかと思います。
さて、ドル円の115円台での頭打ちを感じたところはお見事でした。新高値を更新してもなかなか上がらない時には、ちょっとしたネガティブ材料が出れば大きく崩れる傾向にあります。今回は、オミクロン株という誰もが予想しなかった材料が飛び出したことで、そうなりました。こういったケースを一つひとつ引き出しに入れていくことで、「いつか見た相場展開」として適切な判断ができるかと思います。おつかれさまでした。
前週からの損益 マイナス29万円
11月26日現在 116万円
最後は気持ちよくトレードできた!(一橋大学 ボンゴレさん)
先週(11月15日週)の取引で保有していたポジションは、すべて損切りしてしまったので、今週(22日週)は新たなポジション作りから始めました。
最後の週であることもあり、今まではスワップポイントがマイナスになるという理由から手を出していなかったショート(売り)ポジションを保有してみることにしました。上昇するよりは下落するほうが大きく動きやすく、大きな利益を狙いやすいのではと思ったからです。先週ロング(買い)ポジションで損を出してしまったこともショートにしてみようと思った理由の一つです。
この戦略を決めた1メキシコペソ円=5.452円のときに、成り行き注文で100万通貨分のショートポジションを保有しました。損切りを5.5円(この場合の損失は4万8000円)とし、基本的には利益確定ラインはニュースを追いながら設定しようと思っていました。
今週のメキシコペソの動きについて振り返ります。まず、先週メキシコペソ円が下がった理由として考えていた原油備蓄の放出のインパクトはそこまで大きくなかったようです。むしろ、今週の動きはメキシコ中央銀行の人事が最も影響を与えたようです。メキシコのロペス・オブラドール大統領がメキシコ中央銀行総裁に、すでに総裁に指名されていたエレラ氏ではなくロドリゲス氏を指名したことは、市場にとって大きなサプライズとなりました。政治介入が嫌気された結果となったのは、中央銀行の独立性や今後の金融政策の不透明感だけではなく、同じ新興国通貨で大統領の発言によって下落しているトルコリラの影響もあるのではないか、と考えました。
結果は気が急いてしまって1メキシコペソ=5.23円で、すべてのポジションを指値注文で約定したため、22万2000円の決済益で取引を終えました。そこからスワップポイントのマイナスを差し引いて21万6500円が今週の結果です。
予想どおりにできたわけでも、ファンダメンタルズ分析をしたわけでもなく、偶然がもたらした結果ではありますが、最後に気持ちよく取引を終えることができて良かったです。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス高金利通貨の売り建てることは、トレード初心者には難しいのですが、それまでの方針を一変させ売りに転じた判断は素晴らしといえます。
コメントにもあるように、メキシコ中銀総裁は財務副大臣に相当するロドリゲス大蔵公債省次官を指名し急落。ロドリゲス副大臣は、財政経験が豊富な一方で、金融政策のキャリアに乏しいことから市場の警戒感が走ったようです。結果的に、メキシコペソは対ドルで9カ月ぶりの安値を付ける結果となりました。相場の転換点で、切り替えの早さは優秀なトレーダーの証です。後にも先にも、恐らく誰も取引し続けないメキシコペソで大きなパフォーマンスを出したボンゴレさんに拍手を送りたいと思います。
前週からの損益 プラス21万6500円
11月26日現在 174万7835円
神奈川県出身。
タイミングを大事に激勝! 最終節を飾る(同志社大学 FOXさん)
今週(11月22日週)の取引は、今までに比べて質の高いトレードができた気がする。最近はブレイク狙いが多くなってきたためか、感覚が相場にあってきたからかは、まだあまりわからないが、自分の感覚的に伸びると思ったとこと反発すると思ったところがある程度当たるようになってきた。
言語化するのはだいぶ難しいが、その前の波形だったら波形ができ上がった後の動きのスピード感だったりで、ブレイクを狙うかリバ(=リバウンド。下落後の上昇を狙って相場に入ること)を狙うかを判断している形だ。
そして、今週から大事にしているのはタイミングだ。スキャルピングは、デイトレードみたいに何分間かの方向を当てなくて良い。何分間か何秒間かの動きの走るほうを予想してそれにいいタイミングで乗るか乗れないかだと思っている。方向感があっていてもタイミングが合わなければ振り落とされる可能性は十分にある。なので、とりあえずチャートを見続けることで、走るタイミングをしっかりうかがうようにした。
ちなみに、今週はとても良くて、特に26日(金)はなかなかない大相場だったと思う。そして、その金曜のおかげでおおきな何かがつかめたような気がした。
◆ 今週の取引11月22日(月) プラス19pips
23日(火) プラス51pips
24日(水) マイナス1pips
25日(木) プラス2pips
26日(金) プラス57pips
1週間の合計は、プラス128pips
総資産の合計は、146万8020円。 ◆ 児山将のワンポイントアドバイス
スキャルピングに方針転換をしてからの集大成が結果となって出たようですね。マイナスはないに等しく、大きく動いた日には着実に利益を出すという理想的な収益力となっています。スキャルピングは、相場の息遣いやヘッドラインから方向性、ポジション取りなどの判断力が求められますが、同時に決断力も重要となります。これらは社会人になっても大いに生きることですので、スキャルピングで培った力は日常生活でも反映され、成長していることを感じているのではないでしょうか。トレードスタイルを変えた際の気づきと吸収力が素晴らしかったです。おつかれさまでした。
前週からの損益 プラス25万6000円
11月26日現在 146万8020円
福岡県出身。
今週は多忙のため、取引をお休みしました。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
11月26日現在 119万3665円
◆100万円増額計画 FX大学対抗戦のルール学生投資連合USIC
・元本100万円のデモトレードです。
・通貨ペアはクロス円取引とします。
・レバレッジは25倍を上限(法令に基づく上限)とします。
・取引の過程で資産が「ゼロ」(元本割れ)になった場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
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