今週(2021年11月22日週)のビットコイン相場は大荒れ。週末には一時1BTC=610万円まで下落した。乱高下する相場に、最後まで翻弄された北海道大学の渡部真人さんは、「「強制ロスカットまではいかなかった」というものの、最終節の取引をマイナスで終えた。
明治大学のakiさんは、最終節は取引せずに逃げ切り。首位で終えた。慶応義塾大学の1028さんも取引せず。わずかのプラスで終わった。
ビットコインまさかの暴落! 今後は......(北海道大学 渡部真人さん)
左のグラフのとおり、ビットコインは週末に610万円台まで暴落。強制ロスカットまではいかなかったが13%ほど下がり、損益は310円のマイナスとなった。
暴落要因は主に2つで、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の再任発表による金利上昇観測と新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」への警戒とみている。後者のほうが影響力は大きいだろう。11月末に、マネーは「リスク回避」へと動いた。二つの要因のどちらもリスク資産を回避すべきという動機付けに十分な内容だろう。
まずは一つ目のパウエル再任について。バイデン米大統領は11月22日、パウエル氏の再任を発表し、量的緩和の縮小(テーパリング)の予測とともに長期金利が上昇。その後の市場ではグロース株やトルコリラ、日本株が売られた。
インフレは長い間米国を悩ます頭痛のタネだったが、バイデン米大統領はパウエル氏の再任を明らかにすることで金融政策に変更はないと市場にメッセージを送った。債券の利回りは上がるので、投資マネーはそちらへと向かった。ただ、私の見方ではアメリカのインフレは長く続いたコロナ禍の行動制限からワクチン接種が進み一気に経済正常化に戻ったことによるものが大きいのではないか。
もちろん、まだまだコロナ禍の影響が収まったわけではなく、アメリカでも感染者が増えてきているが市場は経済正常化への期待を織り込んでいる。アメリカのインフレは「一時的なもの」という見方をすれば、金利は急に大きくは上がらないだろう。別の見方をすればこれまでの株式市場などはバブル、過熱感があるものだったということなのか......。
とにかく、パウエル氏再任の影響がビットコイン相場に影響を与えた要因の一つだ。11月23日でビットコインは650万円台を割っている。ただ、その後には680万円台まで上昇している。金利上昇圧力観測の一服感によるものか。
もう一つの、南アフリカで見つかった新型コロナウイルスの変異株「オミクロン型」のインパクトは大きかった。私自身の反省として気づくのに遅かった。ビットコインだけではなく、世界同時株安となった。株式のほうでは1日で3万円の損失だ。小梅太夫なみに「チクショウ」と叫びたい気分だ。
オミクロン型への警戒が高まっている。どのニュースを見てもいつ発見されたのか明記されていなかったのだが、前週末の米ニューヨーク株式市場のダウ工業平均は前日比905ドル安となり警戒感が明らかになっていた。大商戦となるブラックフライデーの報道時にもオミクロン型への警戒文があったため、先週ほどくらいから観測されていたのだろう。
オミクロン型は多くの変異を持ちワクチンが聞きにくい可能性や、高い感染力が指摘されている。WHO(世界保健機構)は26日にオミクロン型を「懸念される変異型(VOC)」に指定。欧州や香港などで症状が確認されている。日本も水際対策に必死だ。再び変異株が世界に広がれば、ようやく経済正常化に動きだしたのに水を差すことになる。ダウ工業平均が大きく下げた後の11月27日ではビットコインは610万円まで下がった。今後も気を抜けない。
これらが今週の主なニュースとビットコイン相場の流れだ。暗号通貨バトルは今週で最後だが、おそらく今回の暗号通貨バトルでは最下位であろう。悔しいが完全に私の実力不足によるものだ。今までの私の失敗歴は過去の記事に載っているが、暗号資産投資の経験を述べさせてもらうと「暗号通貨投資は投機的」であるというのはまず押さえておきたい。暗号通貨投資をやろうと思っている人は、FXのように利益確定や損切りの判断は早めにすることと、暗号通貨関連企業を調べておくこと、暗号通貨がどのように使われているか把握しておくこと、手数料が安い口座を使うことを基本として後は損益に一喜一憂することなく元本からプラス・マイナス5%を維持することを重要視して投資することを推奨したい。
暗号通貨やブロックチェーン技術は今後も発展していくだろう。世界は日々デジタル化している。国境はどんどんなくなっていき、コミュニティも多様化する。世界がデジタル化したときに使われるのはドルではなく、暗号通貨なのではないか。
最後に読者のみなさまに感謝の気持ちを伝えたい。最後まで、ありがとうございました。
◆ 児山将のワンポイントアドバイスFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、再任が決まった後の米上院銀行委員会での議会証言で、途端に今までの発言をひっくり返しました。「インフレに関する一過性の表現を止める時が来た」と述べ、インフレ高進のリスクは高まった、資産購入ペース縮小終了前倒しの是非を協議は適切だとインフレリスクを警戒しました。これはインフレヘッジとして購入されるビットコインには追い風です。金も上昇していますし、インフレが進めば進むほどビットコインは上がりやすくなるといえるでしょう。
「損切りの判断は早めに」ということですが、ポジションを保有する前に損切りポイントを決めておき、リスクを知ることが運用において有効となるかと思います。
おつかれさまでした。
前週からの損益 マイナス310円
11月26日現在 3233円
今週は多忙のため、取引しませんでした。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
11月26日現在 1万7円
今週は多忙のため、取引できませんでした。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
11月26日現在 1万1903円
◆ 大学対抗 1万円からはじめる暗号通貨バトルのルール学生投資連合USIC
・元本は1万円です。
・投資する暗号通貨の選定は自由です。ただし、国内で購入できる暗号通貨に限ります。
・レバレッジは、かけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)します。
・元本割れは1回まで。リベンジ(再投資)可能ですが、2度、資産(合計で2万円分)を失った場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
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