テレマ保険は「PAYD 」「PHYD」の2種類
損保業界では、こうしたテレマ自動車保険の発売が相次いでいる。しかも、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、ロボットによる自動化(RPA)といった先端テクノロジーの真価に伴い、それらの最新技術を組み合わせ、そこから得られるデータを活用して、柔軟かつ迅速にサービスを提供している。
テレマ自動車保険には、大きく分けて「走行距離連動型(PAYD)」と「運転行動連動型(PHYD)」の2種類がある。PAYDは、GPSなどでクルマの年間走行距離を測定し、「走った分=リスクの大きさ」に応じて保険料に反映している。一方のPHYDは、専用装置(ドライブレコーダーなど)を保険対象のクルマに取り付けて、安全運転のレベルを測定。運転リスクを保険料に反映するタイプだ。
いち早く取り組んだソニー損害保険は、2015年2月に運転行動連動型保険「やさしい運転 キャッシュバック型」を、日本で初めて発売。昨年3月にはこれを進化させ、スマホで計測した運転特性データから事故リスクを推定し、その結果に応じて保険料を、最大30%をキャッシュバック(5段階で評価)する運転特性連動型自動車保険「GOOD DRIVE(グッドドライブ)」の取り扱いを始めた。
万一の事故時の補償やサービスの提供のみならず、AIなどの先進技術の活用によって事故リスクの低い運転をするドライバーに、キャッシュバックの特典を提供することで、ドライバーの事故リスクの低減を図る狙いがある。
また、あいおいニッセイ同和損害保険はテレマ自動車保険の英国最大手を買収するなど、ITを活用した自動車保険の提供に積極的。「タフ・見守るクルマの保険」は車載したデバイスから取得した事故の相手車両の運転行動などのデータをAIが解析することで、事故状況の把握、確認や過失割合の判定をサポートする。
カーナビゲーションアプリを使った損害保険ジャパンの「ポータルスマイリングロード」や、専用車載器とスマホアプリが連動したセゾン自動車火災保険の「おとなの自動車保険」や三井住友海上火災保険「GK 見守るクルマの保険」などが続々と登場している。