福利厚生は「目的でなく手段」 どこよりも早く手がけた「サブスク」実を結ぶ ベネフィット・ワンの白石徳生社長に聞く【前編】

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サブスクはお金がかかる

   ――サブスクリプションモデルの優位性やハードルになったことは何でしょうか。

白石社長「ビジネスの構想の段階で、都度お金をいただくモデルとサブスクリプションモデルで、どちらが強いかというとサブスクリプションモデルが絶対強いと思いました。
では当時、なぜ誰もサブスクリプションモデルのビジネスをしていなかったかというと、サブスクリプションモデルは、すごくお金がかかるからです。 サービスは会員がいてもいなくても一定のお金がかかります。たとえば、映画の権利を買えば、それでお金がかかってしまいます。たぶんアップルミュージックもNetflixも大赤字だったと思います。しかし、一定数会員が集まってしまうと、会員数が倍になれば売り上げや利益が倍になっても、かかるコストは変わりません。
サブスクリプションのビジネスはストックビジネスですから、一度単月黒字になれば、継続して会費収入が入るので、翌月以降も黒字の計画が成り立ちます。しかし、黒字までが大変です。我々も『一番キツイやり方だけど最後は一番ラクできるんだ』と思って乗りきりました」
白石徳生社長は「一番キツイやり方だけど最後は一番ラクできると思って乗りきった」と話す。
白石徳生社長は「一番キツイやり方だけど最後は一番ラクできると思って乗りきった」と話す。

   ――このビジネスアイデアは福利厚生のアウトソーシング以外にも展開しているのですか。

白石社長「すでに個人にも福利厚生アウトソーシングと同じものを、名前を変えて販売しています。それは、たとえばソフトバンクさんやNTTドコモさんのような通信キャリアやアパマン(アパマンネットワーク株式会社)さんのような不動産仲介会社と一緒に個人向けサービスを提供しています。
ただ、福利厚生のほうがまとめて入会されますし、退会もないので、効率面では福利厚生が勝ります。いろいろ試したのですが、やはり福利厚生が一番やっていけると原点回帰しています。確かに、会社として入会しているのですから、多少使わない人がいたとしてもそれを理由に退会することはありません。それが個人での入会ですと、使用しなくなるとそれで退会されてしまいます。継続率の面でも福利厚生のほうが勝ります」

   ――福利厚生に目を付けたのは大正解でしたね。

白石社長「福利厚生の場合、会社の制度ですから、社員は福利厚生制度を使わなくても会社に福利厚生制度があるということで満足はします。保険に近いと言えます。保険は使わなくても保険に入っていることが大事です。我々の福利厚生制度も、今は旅行に行かないとしても、いずれ行こうと思った時には安く行けるのですから、それが従業員への福利厚生のPRにもなります。福利厚生制度であれば、我々のサービスは関係者すべてにメリットがあるのです」
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