オンラインセミナーを収益化するためには
多くの主催者が収益化を課題だと考えている。万単位のフォロワーを抱える人たちがこぞってオンライン無料イベントを打ちまくっているからだ。
オンラインイベントの有料化を阻む3つの要因を挙げている。オンライン独自の価値がない、知名度がある人にとっては、無料の方が合理的である、主催者に自信がない、ことだという。
また、オンラインセミナーを失敗に導く3つの落とし穴として、とにかく多くの参加者を集めようとする、集客の手段ばかりを気にする、一発で結果を出そうとすることを指摘している。
高橋さんは、収益化への5つの指針を示している。
(1)3000円×100人以上
(2)数万円×20人以下・複数回のゼミ
(3)資料・権利・商品の販売
(4)商材のコンバージョンにつなげる
(5)参加者ではなく、企業から対価をもらう
「集客は企画でほぼ決まるといい」。セミナーを企画する方法も書いている。講師が一流でなければ教えるに値いしないというのは誤解で、ある業界の初歩的・平均的なスキルが別の分野では非常に価値が高くなる組み合わせはあるという。また、メジャーなテーマでなければというのも誤解で、何かを極めた人の話には必ず学びがあるという。
実際の企画のプロセス、セミナーの目的からターゲットを具体化する方法、コンテンツやプロフィールのつくり方、音声やカメラと照明、資料のつくり方なども具体的に伝えている。
営業目的のオンラインセミナーには、認知獲得、見込み顧客化、クロージングのための説明会、相談会と3つのパターンがあり、集客は目的によって形が変わる。オンラインセミナーに向くもの、向かないものがあり、安易にオンラインセミナーですべてを解決しようと思わない方がいいと戒めている。ここでは紹介しきれないほど役に立ちそうな内容が詰まっている。これからオンラインセミナーを始めようという人にとって必読の書といえよう。(渡辺淳悦)
「オンラインセミナーのうまいやりかた」
高橋龍征著
クロスメディア・パブリッシング発行、インプレス発売
1628円(税込)