「電話するだけなら、対にスマホより便利なのに...」
「ああ、あのボタンが大好きだった。ツルツルの液晶画面なんて...」
ついにガラケー時代の終焉がきた。KDDI(au)が「ガラケー」と呼ばれる携帯電話で使われている3Gの通信サービスの終了を発表したのだ。
ネット上では、
「もうお別れか。長い間、ありがとう!」
と惜しむ声があふれている。
「これからはガラホだ」という人も多い?
KDDI(au)は2021年11月29日、主に「ガラケー」に使われている3Gの通信サービスを、来年(2022年)3月31日で終了すると、ホームページで発表した。
発表によると、KDDIは2003年からサービスを始めたが、「3G」の通信は利用者が減少していることを理由に、今後は現在主流の「4G」や今後成長が期待される「5G」の環境整備を急ぐとしている。
現在、3Gを利用している人に対しては、4Gや5Gに対応したスマートフォンや「ガラケー」タイプの折り畳み式の携帯電話(通称ガラホ)を合わせて6機種用意し、機種変更などの手続きを進めるよう呼びかけている。利用者は手数料無料で、同じ番号のまま4Gなどの回線を新規に契約することができる。
来年4月1日以降は自動的に解約して通話などのサービスが利用できなくなるが、念のため自動解約後も電話番号とメールアドレスは来年6月30日まで保管するという。KDDIは早めの手続きを呼びかけている。
3Gのサービスをめぐっては、ソフトバンクが3年後の2024年1月に、NTTドコモが5年後の2026年3月にそれぞれ終了することを決めている。
これで、いよいよ「ガラケー」時代が終焉を迎えるわけだが、ネット上では惜しむ声があふれている。ヤフーニュースのヤフコメ欄では、こんな意見が相次いでいる。ITライターで、デジタル分野の編集プロダクション会社ウレルブン代表の酒井麻里子氏は、それでも「ガラケー」を使いたい人にこうアドバイスをした。
「現在3Gのガラケーを使っているユーザーで、スマホへの乗り換えはしたくないという場合、ガラケーと同様の使い勝手の『4Gケータイ』(ガラホ)が次の選択肢になります。auの場合、『グラティーナ』『かんたんケータイ』など数機種が出ていますね。
大手携帯電話会社には3Gガラケーユーザーのスマホへの乗り換えを推進したがっている雰囲気がありますが、どうしてもスマホを使いこなせる自信がない、あるいは他のスマホと併用して通話専用に使っているなどの理由でスマホの機能を必要としない場合は、無理にスマホへ乗り換えるのではなく、これらの機種を選ぶのもありでしょう」
モバイル・IT・ガジェット系フリーライターの島徹氏は、ガラケーをこう懐かしがった。
「今もau 3Gの『Walkman Phone, Xmini』という超小型ケータイをメインの電話回線として使っています。3GはauがcdmaOneを発展させたcdma2000方式が、ドコモとJ-PHONE~VodafoneのW-CDMAより先行して展開。今のネット使い放題に繋がる最大2.4Mbps ベストエフォート1xEV-DO方式の開始後は、auのEZフラットプランだとパケ死を防げるとして人気を集めました。ケータイ好きだと、来年3月末に3G電波が停止する瞬間を見届けたい層もいるので、良い感じに停波して欲しいところです。
また、auは当時の個性的なケータイの系譜を告ぐ『G'zOne TYPE-XX』を12月に発売予定。カシオは携帯電話事業から撤退しましたが、カシオのデザイナーも参加した復刻モデルといえる製品です。当時のカシオのケータイ好きは要注目でしょう。ぜひ購入したいですね」
「スマホは、ガラケーとPCの間の中途半端な存在」
また、ヤフコメ欄にはこんな意見があふれた。
「電話として使うなら絶対にガラケーのほうが使いやすいし、電池ももつという積極的な理由で支持している人が大勢いる」
「スマホ1台とガラケー1台とPC2台持ちだけど、ガラケーは2週間くらい電池が持つのに、スマホは3日で切れてしまうから毎日充電しなければならない。また、スマホはガラケーより重く大きいし、平たすぎて電話しづらいし、ポケットに入れると邪魔になるし、カバンに入れておくと、出すのに時間がかかり、電話が鳴ってもすぐに出られない。そして、スマホは操作性や見やすさ、入力の速さはPCに劣る。文字も小さく目を酷使するので目の健康に良くない。
つまりスマホは、ガラケーとPCの間の中途半端な存在だ。電車通勤の人は必須なアイテムなのかもしれないが、クルマで移動が中心の人は、運転中は操作できないのでスマホの必要性は高くない。SNSも家ではPCのほうが便利。スマホの世の中になって非常に迷惑で不便」
「4Gにもボタンで操作する2つ折りケータイ(ガラホ)はあるが、中身はAndroidが入っている。そうじゃなくて独自OSを使った純粋な4G版ガラケーを発売して欲しい。4G=スマホという概念を払拭すればいい。私はドコモのスマホを使っているが、AndroidもiPhoneも嫌いだ。もしauが独自OSを搭載したボタンで操作する2つ折りの4Gガラケーを発売したらauに乗り換えてもいい」
また、ガラケーからの機種変更にも、auにこんな注文が相次いだ。
「先日、母の3G携帯を新機種するためauショップに行きました。ガラホにする予定でしたが、店員にスマホを煽られて本人もその気になり、BASIO4にしてしまいました。今になって、やはりガラホにすべきだったと後悔しています。とにかく(操作を)理解してもらえない。加えて画面を適切にタッチできないらしく、意図しない動作を繰り返すため本人のストレスは相当なようです。
いちいち電話で私に質問されるうえ、半ギレされるため、私のストレスも高まります。サポートにも加入しており、販売時にはしっかりサポートすると言っていましたが、少なくともショップは販売後、逃げ回ってほとんど相手にしないようです。ストレスの溜まる高い勉強代となりました」
「先日うちの母も3Gのガラケーから4Gのガラケーに機種変更しました。ガラケー自体が廃止になると誤解している方が多いように感じます。というか、誤解させてスマホに移行させようという大手携帯会社の悪意を感じます。ちなみにかんたんケータイの機種変更でしたが、同じメーカーの機種変更で操作方法もほぼ同じ。80歳近い母でもすぐに新しいケータイを使うことができました。手数料なども一切かからずに無料で機種変更できました」
「機種変更の通知がきましたが、機種がひどいです。そっち都合で3Gを廃止するのだから、良い機種を安く提供してほしい」
「送られてきた通知、勝手に決められたショボイ機種の申込書が入っていて、選べるのは色のみ。どっちかの色に印をつけて送り返せって......。IDO(編集部注:KDDIの前身の日本移動通信)の時代から25年ユーザーだけど、ひどい扱い」
(福田和郎)