きょうは、IT企業にお勤めの50代のOさんがいらっしゃっています。
「最近、会社ではお客さんからのお問い合わせに対して、自動で返信するAI技術を活用したチャットボットを導入しました。導入に向けて準備する中で、こうやって人の仕事移り変わっていくんだなという実感と、意外と人間が関わる仕事部分も多いんだなと知りました。
返信の会話のパターンを準備したり、考えたりと人間じゃないとできないことがたくさんあるんですね。AIとうまく共存できそうという期待と、そのためにはAIを活用できる能力をつけていかないとマズイなと思いました。」
仕事がAIに代替されていく?
最近、ビジネス誌に「AIに仕事が奪われていく」「今後なくなる仕事」など、中高年が不安になるような記事を、よく見かけますよね。でも、不安な一方、私たちの生活はAIによってより便利になっています。
たとえば、スマホのカメラでも自動で人間を認識したり、ネット検索の検索エンジンにおいても「もしかして〇〇では?」と教えてくれたりするのもAIの恩恵です。このように、生活の中にすっかりAIは馴染んでいるので、これからこの先も増えていくことは間違いありません。
AIに奪われてしまうと考えるのではなく、Oさんのように、まずは共存するためにはどうしたらいいのか。そう考えてみることは、前向きですごくいいと思いますよ。
私自身もAIには興味があるので、本を読み漁っています。恥ずかしながら、本を読む前は、AIって何でもできてしまう、人間よりも優れているとイメージがありましたが、そうではないんですね。AIは大量のデータ処理やデータから勉強することはできるけれど、「考える」という部分は苦手なようです。
AIには「味覚」「触覚」はなく、五感を活用することは人間のほうが優れています。つまり、人間にできて、AIにはできないことがあるわけです。
コロナ禍でリモートワークが進みましたが、バーチャルの空間では、なかなか五感をすべて使うことはできません。実際にどこかに行って、そこの空気に触れて、美味しいものを食べて感動することは大切な感覚、人間にしかできない感覚ですね。人間の感性や経験からアイデアを生み出すことは、今のところ人間しかできないことだと思います。