みずほ、3首脳がそろって退陣 それでも懸念される経営刷新、はびこる旧行を引きずる「タコツボ的」縦割り組織

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新しい経営陣に「悪弊を絶つ経営刷新」ができるのか?

   さらに深刻なのが、「旧行意識」だ。みずほは2000年に日本興業、富士、第一勧業の3銀行が統合して誕生したが、FGの佐藤氏と坂井氏は興銀出身、みずほ銀行の藤原氏は第一勧銀出身、加藤氏は富士銀出身といった具合で、「たすき掛け人事」と揶揄されるとおりだ。

   いまや中堅以下の行員の大半は経営統合後の入行だが、幹部の意識、立ち居振る舞いは行内に必ず影響する。結局、旧行を引きずった縦割り組織で、他部門には言わない、他部門には言わせないというように「タコツボ的になっている」(金融庁関係者)という。

   大手紙は処分・辞任発表を受けた11月27日朝刊では大きく報じ、日本経済、読売、毎日の3紙は社説で取り上げた。

   「金融システムへの信頼を揺るがせた失態を考えれば『総退陣』は当然だろう」(日本経済新聞)とし、「トラブル多発で顧客の信頼を裏切ったにもかかわらず、退くのがまだ数か月先とは、あまりに遅いと言わざるを得ない」(読売新聞)と、即時辞任でないことを批判する声もあるなど、総じて厳しい論調だ。

   各紙、旧行意識の打破も求めるが、「人物本位を徹底すべきなのは言うまでもない」(日本経済新聞)、「今度こそ、悪弊を絶つ経営刷新にしなければならない」(毎日新聞)と、抽象的に書くしかないところだ。

   新しい経営陣が、この最大、最難関の課題にどう取り組むか。FG社長の選考はこれからというが、その人選が経営刷新を実のあるものにできるかの第1の試金石になる。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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