「私たちの声を代弁してくれる候補者はいるかな?」
女性の政治参加も進み、全候補者における女性の割合は33%で過去最多。女性候補者の割合が一番多かったのは緑の党で、その数は54%とついに半数超えました。
当選した女性の割合は35%に上り、前回(2017年)の31%を上回り、女性が一番多く当選した2013年の36.3%という数字に迫りました。
候補者の職業の多様性も広がりました。伝統的な弁護士や経済学者、経営者といった職業のみならず、教師や看護師が候補者の職業の上位に入り、386人の学生、17人の主婦も立候補しました。
選挙は、自分の「声」を代弁してくれる人を選ぶ場なんだと、ドイツの候補者の背景を追いながら、基本に立ち返る思いがしました。
「政治家の先生に庶民の痛みは分からない」ではなく、同じような生活の悩みや問題意識を持つ同年代や同性、同業者の立候補者がいたら、日本でも選挙がもっと身近になるんじゃないか......。
ドイツにおいてもシルバー・デモクラシーへの危機感を持つ若い世代は多く、今回の総選挙も若年層にフェアな結果ではなかったという声もあります。
それでも、投票率76.6%。1980年以降に生まれた議員(41歳以下)が3割を超えているという数字に一筋の希望を感じました。
(高橋萌)