石油備蓄放出にガソリン補助金...... 異例の対応策も効果は未知数なのに、なぜ?

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価格引き下げ効果は限定的?

   具体的には、米国が国内消費量の約3日分にあたる5000万バレルの放出を発表、インドも500万バレル放出、英国は民間の備蓄放出を石油会社に促すと伝えられている。

   日本は岸田文雄首相が11月24日に放出方針を表明。国内需要の数日分を石油元売り会社や商社などに、入札で売却するといい、経済産業省が実際の手順の具体化を進めるが、備蓄は目標を大きく上回っており、緊急時への備えとして問題はないとしている。

   日本の放出は、法的には微妙な面がある。石油備蓄法は、供給途絶の恐れや災害時に限って放出できると規定している。価格高騰は過去にもあり、レギュラーガソリンが1リットル=185.1円と史上最高値を記録した2008年にも放出しなかった。備蓄石油は、国内の需要動向に合わせて定期的に数日分ずつ入れ替えており、今回は、この入れ替えを前倒しすることにして放出するという「奇手」を編み出した。

   また、過去には1991年の湾岸戦争や2011年の東日本大震災の際などに民間備蓄を取り崩したことはあるが、国家備蓄の放出は例がない。

   それ以上に問題なのは効果だ。仮に米国と同じ3日分程度を放出しても、年間消費量の1%にも満たない。石油連盟の杉森務会長(ENEOSホールディングス会長)が25日の定例会見で、「時限的な激変緩和措置と理解し、政府と連携して取り組む」と述べつつ、「どう功を奏するかは少し見ないとわからない」と慎重姿勢を見せたように、「価格引き下げ効果は限定的」(経産省関係者)との見方が多い。

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