「バルミューダフォン」寺尾社長が弾いた算盤 新たな価値とデザイン性、高価格でも売れる商品で勝負!

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大ヒット、扇風機やトースターに見る「必勝」パターン

   バルミューダの名を世間に知らしめたのは、2010年に発売した扇風機だろう。家電量販店には数千円程度の製品が並ぶなか、バルミューダは3万円台の製品を投入。自然界の風と同じような気持ちよさを目指したコンセプトが受け入れられ、累計50万台を超えるヒット商品となった。

   2015年にはスチームトースターを発売。炭火で焼いた食パンの味を再現しようと、蒸気と温度を制御する技術を編み出した。こちらは累計販売は120万台を超えている。自前で製品を開発して、生産は社外に委託する「ファブレス」の手法を取る。

   扇風機とトースターに共通するのは、市場が大きく、かつ成熟し尽くしているという点だ。バルミューダは新たな価値を加えてデザインを重視した高価格品を開発し、低価格品がひしめく市場に投入。既存品に物足りなさを感じていた一定数の消費者のニーズをすくい取った。この勝ちパターンをスマホでも狙っているのだ。

   バルミューダフォンの発表後、「SIMフリー」モデルで10万4800円の価格が性能に見合っていないと指摘したり、デザインの物足りなさを嘆いたりする記事や投稿がインターネット上に相次いだ。裏を返せば、バルミューダの製品は注目されるようになっており、期待のレベルも高く設定されているということだろう。実際に日々、使うユーザーの評価がどのあたりに落ち着くかが、ひとまず注目点だ。(ジャーナリスト 済田経夫)

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