一般人にとって「炎上」は無縁 書きたいことを恐れずに書く【尾藤克之のオススメ】

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  • 一般の人は「炎上」を恐れず、どんどん書いてみる!
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一般の人にとって炎上は無縁である

   ニュース記事を書くようになって10年以上になります。よく、「炎上は怖くないですか?」と聞かれることがあります。情報発信をしている以上、なんらかの誹謗中傷や批判から逃れることはできません。

   先日も、炎上に巻き込まれたことがありますが、そのような時ほど静観につとめるようにしています。

   では、最初にお聞きします。次の2人の人物をご存じでしょうか。

   1人目は豊田真由子元議員。「このハゲぇ~!」が流行語大賞の候補にもなったので、説明するまでもないでしょう。では、話題になる前から、豊田元議員を知っていましたか?

   豊田元議員は、東大卒、ハーバード大院修了、金融庁課長補佐、在ジュネーブ一等書記官、厚労省課長補佐などを歴任したエリートとして、早くから政界入りが期待されていました。政界転身後も、厚労副部会長、内閣府政務官、文科政務官、復興大臣政務官の要職に就きます。

   一般的な知名度はどの程度だったのでしょうか。

   2人目は杉田水脈議員。雑誌「新潮45」2018年8月号に「LGBTのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子どもをつくらない、つまり生産性がないのです」などと寄稿して物議を醸しました。では、話題になる前から、杉田議員を知っていましたか?

   杉田議員のLGBTに対する発言は、「新潮45」が初めてではありません。2015年に、公式ブログで「生産性のあるものとないものを同列に扱うには無理があります。これも差別ではなく区別」と発言しています。

   一般的な知名度はどの程度だったのでしょうか。

   「炎上」とは、ネット上の失言に対して非難や誹謗中傷が集中することです。ここで紹介した豊田元議員、杉田議員のケースは、世論を巻き込みましたので一般的にいう「炎上」に当たると思われます。しかし、一般人の発言が世論を巻き込むことは考えられません。

インフルエンサーは大きな勘違い

   ネットで記事が目立つようになると、「インフルエンサー」などと言う方がいますが、これは大きな勘違いでしょう。炎上などは一般人であれば無縁の世界だからです。

   大手ニュースサイトでは、数百万PVを稼ぐような記事があります。これは瞬間的にリーチしたに過ぎません。執筆者の認知が徹底されたわけではないのです。たとえ読まれたとしても、大半の人が翌日には忘れているでしょう。

   ですから、文章を書く前に、炎上を気にしたり過剰な期待をしたりするのは無意味だということです。PVを稼ぐ人は大勢いますが、継続性がない限り、記憶には残らないものです。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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