FX大学対抗戦 Bグループは首位を走る一橋大学のボンゴレさんが、「得意」としていたメキシコペソで躓いた。値上がりを続けてきた原油価格が下がり、その影響でメキシコペソが下落。含み損が広がる前に損切りして、首位に踏みとどまった。
追う明治大学の佐藤諒さんは豪ドル円の上昇を見て、買いでエントリー。プラスを確保して、「損切り幅をなるべく小さくし、利益は伸ばす」取引が実践できたと、満足そう。同志社大学のFOXさんは、自身の取引が安定してきたと分析。しっかりとプラスを確保し、「今後もしっかり続けていきます」と力強い。
早稲田大学のNAKAMURAさんは多忙のため、また慶応義塾大学の2Gさんは体調を崩してしまい、取引をお休みした。
豪ドル円で「順バリ」勝負!(明治大学 佐藤諒さん)
今週(11月15日週)は、あまり取引したいと思うチャートが見当たらず、月曜日(15日)は取引をしませんでした。16日(火)に豪ドル/円が上昇し、「取引できる」と判断。ロング(買い)でエントリーしました。このように基本的にはチャートオンリーでトレードしていきたいと思います。
【取引1】AUD/JPY 11月16日0時18分(買いエントリー) → 11月17日21時45分(決済)
エントリータイミング(赤矢印)直後に大きく上昇したものの、すぐに戻してしまい利益を得ることができませんでした。その後再び上昇することはなく、下落に転じたため損切りしました。エントリー理由としては高値圏で推移し、反発がほとんどなかったためです。何はともあれ大きな下落の前に逃げることができてよかったです。この取引により、マイナス4万5000円になりました。
【取引2】AUD/JPY 11月18日9時10分(買いエントリー) → 11月19日19時14分(決済)
下落トレンドの継続を予想し売りでエントリーしました。ショート(売り)した直後にまた利益が出ましたが、その後反発。含み損になってしまいました。そのままジリジリ上昇しましたが、結果的に大きく下落してくれたため、利益を得ることができました。
逆指値は直前の下落の初動地点の1豪ドル=83.5円付近に設定していました。利益確定は半分する予定が、デモトレードアプリの使用によりできなかったため、すべての玉を決済し、その半分でもう一度ショート(売り)しました。そのためショートポジションを保有中になります。この取引により、プラス12万円になります。
今回は順張りができていたと思います。しかしエントリー直後は思った方向に行くことが多いのですが、2回ともその後含み損になってしまったので、エントリーポイントに逆指値注文をするなどして対策していきたいと思います。
また、「損切り幅をなるべく小さくし、利益は伸ばす」が多少実践できた形になりうれしいです。来週はユーロ円の反発とポジションのある豪ドルの行方を見ていきたいと思います。
◆今週の取引
取引1:マイナス4.5万円
取引2:プラス12万円(豪ドル円ショート保有中)
◆児山将のワンポイントアドバイス
オーストラリア(豪)ドル円の下落の背景は、米ドル円が1ドル=114.97円まで上昇したにも関わらず、115円を付けることができなかったため、短期的なプレイヤーが一斉に買いポジションを閉じたことが大きいでしょう。何か材料が出たわけではなく、需給的な動きといえます。これを考えると、115円はまだ高く、売りたい人が多いのだということがわかります。ナイス損切りでした。
保有する通貨 豪ドル
前週からの損益 プラス7万5000円
11月19日現在 145万円
痛い! メキシコペソで損切り(一橋大学 ボンゴレさん)
今週(11月15日週)は、メキシコペソが軟調で損切りを余儀なくされる厳しい週となりました。週初めに保有していたポジションは1メキシコペソ=5.45円、5.59円、5.63円の3種類(建玉レートは5.57円)です。5.63円のポジションのみ、含み損がこれ以上増えるのが怖かったので5.5円で損切りラインを設定した状態で週を迎えました。
メキシコペソを下落させた大きな要因である原油価格を振り返ったあとに今週の結果を報告させていただきます。
まず、メキシコペソを見るうえで注目していた11月18日の米週間原油在庫統計は、市場予想に対して大幅に原油在庫が減少するという結果でした。予想より減少していると原油価格は上がるのではないかと安直に考えてしまい、発表後のWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)の動きをしっかり見ていなかったことが、今週で1番の反省点です。
実際はバイデン米大統領が中国などに対して戦略備蓄の放出を要求したことで、需給ひっ迫の可能性が低くなり原油先物価格は安値を付けました。メキシコペソは原油安の影響を受け、これ以降は下落し続けています。
参考リンク:「NY商品、原油が大幅続落 米中が備蓄放出で連携との見方 金は反発」(日本経済新聞 2021年11月18日付)取引の結果は、原油在庫統計発表前日にメキシコペソは5.5円の損切りラインに達し、6万5000円の決済損を出しました。翌日の在庫統計の市場予想より大幅に減少した結果をみて需給ひっ迫からの原油高へ単純に予想を繋げてしまい、他のポジションへの対応は遅れました。18日の朝にWTIとメキシコペソの下落に気づき、1メキシコペソ=5.524円のときに成行で売れたので、4000円の決済益を得ました。
今週の結果は、マイナス5万4150円です(決済:マイナス6万1千円、スワップポイント:プラス6850円)。
◆児山将のワンポイントアドバイス
ここ数週間、メキシコペソは厳しい値動きとなっています。原油価格以外にも、メキシコ中央銀行副総裁が11月の消費者物価指数が前年比7%に達する可能性があると発言(10月は6.24%)。利上げを実施しているなか物価上昇が止まらない状況にありますが、景気回復は冴えない動きとなっており、スタグフレーション懸念が強まりペソ売りが広がっています。ただ、国家原油備蓄放出協調介入では原油相場は大きく下がりませんでした。12月2日にOPECが増産するとは考えづらいため、少し先を見るとメキシコペソは反発し、元のレンジへと戻る可能性がありそうです。
前週からの損益 マイナス5万4150円
11月19日現在 153万1335円
神奈川県出身。
だんだん収支が安定してきた(同志社大学 FOXさん)
◆今週(11月15日週)の取引
トレードをやっていくうえで、勝つための弊害になってくるプロスペクト理論。今週、僕はそこの考え方がまだまだ甘いんじゃないかと思いました。というのもプロスペクト理論というのは人間の心理的になかなか克服できないものでもあるし、克服したからといって勝てるようになるかもまだ定かではありません。
そのようなことを改善して、ひたすら期待値を追う作業に切り替えるためにも一日の終始を一日の終わりでしか見ないようにしました。するとだんだんと収支が安定するようになりました。しかし、まだ1週間なので今後もしっかり続けていきます。
【ドル円取引】
11月15日(月)マイナス2pip
16日(火)マイナス10pips
17日(水) プラス10pips
18日(木) プラス20pips
19日(金) プラス15pips
今週の合計 プラス33pips(6万6000円)
◆児山将のワンポイントアドバイス
長年相場で生き残っている人の話を聞くと、相場は知識や手法などではなく、心理面が重要だということがわかります。まさに欲と恐怖の戦いです。インターバンクで生き残った人は「損切りができるのがプロだ」と答えていました。その損切りを自然と行えるようになるためには、損切りをして大損を免れて良かったという「成功体験」と「慣れ」が必要だそうです。
前週からの損益 プラス6万6000円
11月19日現在 121万2020円
福岡県出身。
◆多忙のため取引得できませんでした(早稲田大学 NAKAMURAさん)
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
11月19日現在 119万3665円
◆体調を崩してしまい取引できませんでした(慶応義塾大学 2Gさん)
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
11月19日現在 120万3480円